10年愛〜＊sho.hirano＊〜

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「はぁ〜！？お前、それ痴漢じゃん!!」




結局、岸にしつこく聞かれて朝、時々感じる違和感を話してしまった




『ちょっ、声がデカい！』



ガランと空いた最終電車だか数人居る乗客が何事かとこちらを見ていた




『だから！確実じゃないし、勘違いかもしれないの。触られてるって程じゃないし当たってる程度？』



「だとしても狙って当ててたらどうすんだよ。」




『まぁ減るもんじゃないし。』




「お前、本気で言ってんなら許さねぇよ」




『何怒ってんの？』




「もっと自分の事大切にしろよ。2年も違和感あるのに偶然なわけねーだろ」




自分の事大切にしろよ…真っ直ぐすぎる岸の言葉が突き刺さる


それは他に思い当たり過ぎる節があるから、、




『でも、、早起きして違う電車乗るとかしんどい事したくないし車両変えるともっと混んでるし』



言い訳ばかりの自分が情けなくなってきた




「じゃあ明日から俺も同じ電車乗るわ。どうせ乗ろうと思ってたのと同じだし」




『え…？いや、大丈夫だよ？明日からもっと気をつけるし』




「それ、全っ然信用出来ねーから」




『え？何でよっ、、』




「ほら、お前ここで降りんだろ？」




会社からうちの最寄り駅までは5駅。喋っていたらあっという間に着いてしまった



『え？あ、うん。そうだけど…って、』




何故か私と一緒に立ち上がる岸




『何してんの？』




「いや、送るし。こんな時間に1人で帰すわけに行かねーよ。」



『いや、これ終電だよ？あんたどうやって帰るの？』



そうこうするうちに電車が止まりドアが開く




「んな事Aが気にすることじゃねーよ。ほら降りるぞ！」



1人でホームに降り立つ岸を慌てて追いかければ無情にもしまる最終電車を見送り…




『ねぇ、マジであんたどうすんの！？』




「俺んちだってこっから3駅だし歩いて帰れる距離だよ。」




『歩いてって、、、』



駅から私の部屋までは歩いて15分




駅徒歩圏内10分なんて代物の部屋借りれる甲斐性無いし



そっから3駅歩いたら小一時間はかかるじゃん…




『泊まってく？』



「ぶはっ！！おまっ、何言ってんの？！？」



私としては明日も仕事なのにすでに深夜だと言うのに更に1時間かけて家に帰らせるのは忍びないと思って何気なく言ったのだが…




『だって今から歩いて帰って何時に寝るのよ…』



「だからって簡単に男に泊まってくかなんて聞くなよ…」

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