10年愛〜＊sho.hirano＊〜

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ジャスト30分で終わらせて会社の外へ出ると




スーツ姿にスマホを持って立つ岸を見つけた



3年前はお互い新卒で着せられてる感、満載のスーツ姿も今ではやけに着慣れてて、、



変わらないようでもやっぱり3年経ったんだなぁ…なんてぼんやり考えながら近付いて行った




『お待たせ！』




「おう！お疲れ〜！」



『どこ行く？給料日前だから安いとこじゃないと無理よ。』




「うん。俺も(笑)誘っといてなんだけど(笑)」




と、言うことでまだまだ安月給な私たちが行きつけているドリンクもフードと定額制の安居酒屋へ入り案内されたカウンター席に二人で並んだ



「『お疲れ様〜！』」



とりあえずの生ビールで乾杯




『朝はびっくりしたなー。まさか岸がこっち来るなんて知らなかったから』




「連絡しようかとも思ったんだけどやっぱりびっくりさせてやろうと思って(笑)でもかけなくて良かったわ。全然知らない人に連絡するとこだった(怒)」




『いや、ごめんて！水没したら中身がみんな飛んじゃって連絡先わかんなくなっちゃったんだよね…。大概はLINEから繋がれてみんな私を拾ってくれたんだけど岸とはLINEやってなかったから、、、』





「いーよ。いーよ。お前にとって俺はその程度の奴って事だろ。」



(あ、拗ねてる(笑))


『そんな事無いって。貴重な高卒組で本当に新人研修の時は岸が居てくれて心強かったんだから！』




あの頃8割方が大卒の新入社員の中で高卒は本当に少数だった。

同じ新入社員なのに年齢が違うこともあり人見知りな私はかなりキツかったのを覚えている

だから同じ班に高卒の岸を見つけた時は本当に天使に見えた



「覚えてる。第一声が岸くん高卒！？って(笑)」



『だって、みんな年上ですごい緊張したんだもん。』




「いやー、マジで思いだしたくないくらいキツい研修だったな(笑)」




『本当だよ。屋上で何回も叫ばされたり意味不明なマラソン大会やらされたり』




「あー、あった、あった！お前遅かったもんなぁ(笑)」




『最下位になったらもう1周とか本当地獄だったよ』



そう、、そして私は見事に最下位の栄光を手に入れた…



高卒と大卒の体力差は多少あったとしても要は私が遅すぎるだけ…



でもあの時も岸が、、、




『自分はとっくにゴールしてんのに付き合ってくれちゃって、、本当お人好しだよね』




「おい！そこは本当優しいよね♡とか言うとこだろ！？」

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