10年愛〜＊sho.hirano＊〜

#43 ページ43

「めっちゃ抱きしめたいねんけど…」



ワンワン泣き続ける私を伺うように覗き込んで情けない顔で見てる



『好きにすれば…っ、』



私の答えを聞いてすぐに包まれるように抱きしめられた



「Aが大好きや。俺と付き合って？」



見上げれば不安そうな紫耀の顔



私の答えをじっと待ってるそんな顔も綺麗で



『私も好き、、よろしくお願いします。』



途端にぱぁーっと明るくなり思い切り抱きしめられた



そのまま腕の中で紫耀を見上げそっと唇を寄せると優しいキスが降ってくる



初めて体を繋げるためじゃない気持ちを確かめるためだけのキスをした


「……っ。、、、あんま可愛い顔で見つめんといて。我慢出来なくなるから…」




『我慢…しなくていいよ…？』



「おまっ、、俺、反省中やし、、あかんやん…」



『反省してるならうーんと優しくしてよ…？』



こんな余裕の無い紫耀初めて見るからつい揶揄いたくなる



『はぁ…、、悪い彼女やな、、』



おいでってベットに座る紫耀に呼ばれて隣に座ると再び優しい口付けが降ってきて、、



それはそれは充分すぎるほどご丁寧な施しを受けてこっちがもう耐えられないから



『しょ、、う、もう…っ。』



ってまるで強請るようなお願いをするハメになり、、



やっと繋がったと思ったら途中で何度も「大丈夫？」「キツかったら言ってや？」ってこっちが恥ずかしくなるくらい心配されて逆にいたたまれないと言うか、、


それでも気持ちが通じて体を繋ぐのがこんなに幸せなんだって初めてわかった



私の上で体を支える紫耀は汗だくて滴る汗が降り注いで来る



『すごい汗…』



「愛の証やろ？(笑)」



照れたように笑うその顔に私はまた恋に落ちてしまう



辿り着くのに10年もかかってしまったけど…



おかげで私達はかけがえのないものを手に入れることが出来た気がする



きっとあの時の告白で付き合ってたら今の私たちはいないね、、

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