GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊29 ページ29

夫が帰国する日いつものように空港へ迎えに行った




『ミツ！』




「A〜！！ただいま♪」



3ヶ月ぶりに見る宏光は浅黒く日焼けしてチャラい印象がさらにチャラく、、




岸くんには普通の人と言ったけどこう見ると年相応では無いかもしれない…



久しぶりに帰ってきた夫は日本でやりたい事がたくさんあるらしく毎日あっちこっちへと精力的に出かけていた



私も予約が無い時間はなるべく付き合うようにして楽しい日々があっという間に過ぎていく




子供みたいで落ち着きなくてちょっと強引だけどいつも私を引っ張って行って飽きさせないそんな夫が好きなんだと改めて思う



だけど、、そんな日々でもどこか心に虚しさを感じるのは彼と心から向き合えていない自分がいるから…




夫が帰国して忙しい日々を過ごすうちに気がつけば１ヶ月も経っていて毎日思いつきで行動するから岸くんと次に会う目処も立てられない




でもいい機会なのかもしれない




私みたいな年増の女がいつまでも彼に頼っているわけにもいかない



ましてや既婚者なのにさみしいからって甘えて…






ある日急に車に乗せられたかと思うと山奥の小洒落たレストランへと連れて来られて



「遅くなったけど、、3年記念！！」



って薔薇の花束を渡された




『やだ…。ありがとう…っ、。』



昔からサプライズ好きで私を喜ばせようと一生懸命なミツに申し訳無くて私は心から笑えなかった



代わりに苦しくて涙を浮かべる私を見て




「泣くほど嬉しかった？」って無邪気な笑顔を向けてくれる





もうこれ以上誤魔化して暮らしていくことは出来ない。





ちゃんと自分の気持ちをぶつけて向き合わなければ…






帰宅して花瓶に貰った花を飾るとちょうどお風呂から出たミツにダイニングへ座ってもらうように言い、私も向き合って座った




「ん…？なに？話って、、」



『あのさ、今度はどれくらいこっちに居られるの？』



「んー、仕事次第だけど今月いっぱいかな？」




『そう、、。』



「どうした？」



『ミツは寂しくないの？私と離れてて』




「え…？何、急に、、」



『結婚してから3年だけど、、私たち半分も一緒にいないじゃない？それって…家族って言えるのかなって』




「A…？」




『私だってもう若くない。子供だって本気で、、』



「ちょっ！ちょっと、ちょっと待って。どうした？急過ぎて訳わかんないだけど、、」

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