美しき便利屋の美しき恋人（紫耀×廉）BL (ページ7)

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ストーカー編8 ページ7

玲奈のマンションへ迎えに行き2人で大学の最寄り駅で降り

朝のラッシュは想像以上で人並みに流されるように改札を抜けた

｢俺の側から離れんなよ｣

玲奈の手を握り警戒して歩くがあまりの人の多さに全てを見切るのは困難で

改札を抜けて大学の方面へ向かうと漸く落ち着いてきた

紫耀が気を抜いた一瞬

いつの間にか正面に立っていた

フードを被った男と目が合い本能的にヤバいと感じた

近々接触してくるだろうとある程度の予測はしていたから驚きはなかったけど

｢裏切り者･･･｣

低い声で呟くと駆け出して来る男が刃物を向けて真っ直ぐに向かってきたのは紫耀ではなく玲奈の方だった

｢･･････玲奈!!!｣

｢え･･･？｣

思わず紫耀が叫び玲奈も男に気が付いた

襲ってくるのは自分の方にだろうと思い込んでいた紫耀は既で避けて軽く傷付けられたところを警察に突き出すつもりでいたから玲奈に向けられた凶器に反応が一瞬遅れた

｢クソっ！！！｣

｢きゃ･･･ｯ！｣

玲奈を庇うように胸の中に閉じ込め男に背を向けるとドンッと鈍い音ともに脇腹に激痛が走った

致命傷にはならないよう既で交わしたつもりだが背中側から深く刺さり抜かれた傷口からはパタパタと血が滴り

｢･････････ｯう､､､｣

崩れ落ちるように膝を着くと玲奈が悲鳴をあげた

駅前の人混みが一気にパニックに陥り紫耀たちの周りだけまるで穴が空いたみたいに誰も居なくなった

蹲る紫耀の隣で震える玲奈へ男が近づいてきた

｢だから言ったじゃないか｣

｢先輩･･･なの？｣

｢何で俺じゃダメなんだよ。玲奈を1番愛してるのは俺なんだよ｣

｢どうして･･･こんな事･･･ｯ｣

｢玲奈が悪いんだよ。こんな男相応しくないって忠告したのに｣

焦点の合わない目でこちらを見ると再び近づいてくる

｢逃げろ･･･はや･･･く･･･ｯ｣

喋るだけで激痛が走り顔を歪めて玲奈に言ってもガタガタと震えるだけで一向に動かない

｢あっ･･･あっ･･･ｯ･･･｣

早く逃げなければと頭でわかっているのに恐怖に足がすくむ

通行人たちはそんな異常な光景に気づいているのに誰も止めるものは居なかった

｢･･･ｯく！｣

膝に手を着いて何とか体を起こすと玲奈の前に立ちはだかった

正直、もう避けることも止めることも出来ない

それでも逃げる隙だけでも作れれば

そう覚悟を決めた時