美しき便利屋の美しき恋人（紫耀×廉）BL (ページ18)

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ストーカー編19 ページ18

｢しゃあないやん。金はいらんから身体で払え言われてるし･･･あー見えてもAは腕のいい情報屋やからガセ掴んでくることなんてまず無いしな｣

“紫耀のためやから･･･“

諦めたように昏い瞳をした廉が呟いた

｢ごめん、マスター食いきれんかったわ｣

｢また痩せるぞ｣

｢そやな･･･(笑)｣

｢永瀬さんはいいんですか？｣

｢やって、、紫耀がずっと探してる男やから。俺と出会う前から･･･その男を捕まえることが紫耀の生きる意味やねん｣

生きる意味･･･

廉が生きる意味が紫耀の為だったら紫耀の生きる意味は恩人を殺した男を見つけ出すこと

その為ならきっと手段は選ばないんだろう

今頃あの2人は･･･

紫耀とAがいるであろう部屋がある天井を見つめる廉は何を思うのか

想像するだけで苦しくなって

｢そんなの･･･っ｣

｢何でアンタが泣くん？(笑)｣

｢だって苦しすぎます！私の部屋にいる時に平野さんに聞いたんです。永瀬さんのこと･･･すごくお互いを大切にしてるがわかるってそしたらまぁなって言ってたのに･･･｣

｢紫耀が大切にしてくれてるのもわかっとるよ。でもそれとコレとは別の話やから｣

きっと紫耀にはなんの意味もない行為でAにとっても欲を満たすだけの紫耀が廉を抱くのとは全く意味が違うんだろう

もしも仕事の為に必要なら依頼者やそのターゲットとも簡単にするはずだ

それは廉も分かっている

それでもきっと割り切るなんて出来ない

初めから割り切れるならこんな顔をしているわけが無い

｢私はお2人に幸せになって欲しいです･･･｣

いつの間にか玲奈の瞳から溢れた涙を止めることが出来ずに泣き続ければ

｢なんか･･･アンタってずーっと日向を歩いてきたんやろうな。だからそんな馬鹿みたいに他人の幸せを願えるんよ｣

─────だけど、ありがとうな。

玲奈にだけ届く声で囁いて立ち上がると

｢部屋戻れんし俺、ちょっと出てくるわ｣

と、マスターに告げて店を出た

好きな人と思いあってるのに甘えることも出来なくて

いつこの関係が奪われるかもしれないと日々脅えるようなそんな生活の中でそれでも繋がっていたいと思う

2人が背負う運命は計り知れないけど

いつか1日でも早く2人が心から安心して一緒にいられる日がくればいいと心から願うしか出来なかった