ストーカー編13 ページ12
翌日には全ての精密検査を終えてまだまだ絶対安静ではあるが退院の許可がおりた
迎えに来てくれた廉は昨日の事など何も無かったような態度でまたご機嫌を損ねないようあえて聞かないまま家へ帰った
久しぶりの我が家に着くなりソファーへ連れて行かれ
｢廉、飯まだだろ？なんか作ろうか？｣
と、聞いても
｢紫耀は絶対安静なんやから何もせんでええねん。そこで寝とき｣
と言いながらキッチンへと向かっていく
｢えっ、廉が作んの？｣
｢他に誰がおるん？｣
｢だってお前、料理なんてしたことないじゃん｣
｢うるさいな。けが人は黙って待っとけ｣
入院中、1度だけ見舞いに来てくれたマスターに廉が自分でも何か出来るようになりたいと教わりに来ているとは聞いたけど･･･
ふいっと背を向けるとエプロンなんか着けて本当に何かを作り始めた
後ろ姿を見ているだけで
｢ヤバい･･･めちゃくちゃそそる･･･｣
つい漏れた心の声にも
｢アホ。｣
と、呆れたように返してくれる廉が微笑ましくて大人しくソファーに横になって一人でブツブツ言いながら作る背中を見ていたらいつの間にかウトウトしていた
｢･･･ぉ･･･しょお･･･｣
聞きなれた高い声に引き戻されると鼻をかすめる甘い匂い
｢ん･･･、ごめ･･･寝てた。なんかいい匂いすんな｣
起き上がればテーブルの上に用意された丸いフワフワした幸せの象徴みたいなそれが目に入った
｢ホットケーキ？｣
｢おん･･･まだこれしか出来んから･･･｣
｢すごっ！！めっちゃ美味そうじゃん！｣
｢マスターに教わったから味は保証付きやで｣
｢食っていい？｣
｢おん･･･｣
シロップを少しかけて食べれば本当にマスターが作ったのと遜色無いくらい美味しかった
あの、家事なんて1つも出来ない廉がこれだけのものを作れるようになるなんてどのくらい練習してくれたのか
チラッと振り返ればキッチンに山になる洗い物が目に入り指先には火傷の跡がいくつかあった
廉は人の傷は治せるけど自分の傷は常人と同じようにしか治らない
そんな事を考えてたら
｢美味くないん？｣
心配そうな顔して廉がこちらを伺っていた
｢いや、美味いよ、めちゃくちゃ。マスターと同じくらい｣
｢なんやねん。何も言わんから不味かったんかと思ったわ｣
｢その手･･･火傷するほど練習してくれたんだろ？｣
｢ん･･･まぁな。｣
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Riho(プロフ) - はじめまして！お話すごい面白かったです！これからどう展開してくのか凄く気になります！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年2月22日 2時) (
レス) id: df3c910baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2020年2月20日 21時
