美しき便利屋の美しき恋人（紫耀×廉）BL (ページ14)

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ストーカー編15 ページ14

｢ふっ･･･準備いーじゃん(笑)｣

そんな風に優しく笑う紫耀を廉以外誰も見たことが無い

それは廉も重々承知していてだからこそ紫耀の全ての傷を受けたいと思っていた

｢しょおは動かんでええから･･･｣

太腿に跨っていた廉が腰を上げてゆっくりと沈めて行くと･･･

根元まで完全に飲み込み何度か浅く上下に揺すったところでぶるりと大きく体を震わせた

｢─────ッ･･･、！｣

そのまま声にならない悲鳴を上げてなんとか対面座位の体制を保つのがやっとなほど消耗した廉を今度は紫耀が抱きとめて持ち上げるとベットへ横たわらせた

｢しょ･･･お･･･｣

｢ん。ありがとう･･･もうキレイに治った｣

さっきまで残っていた傷が傷痕も全く残らないほどキレイに消えていた

｢良かった･･･｣

｢あとは俺に任せとけ。廉は寝っ転がってればいいから(笑)｣

｢･･･アホ｣

唇を合わせどちらの粘膜も紫耀に侵される

傷を治す為じゃない愛を確かめるための行為なのに二人の間に愛の言葉は無い

それでも互いの体を求めるのは言葉じゃないそれ以上の想いに突き動かされてるからなのだろうけど

そんな想いに気づけるような暖かな愛情の中で育った事のない二人に気づける訳もなく

ただお互いが必要で境界線も分からなくなるほど交わりたい本能のままに貪るように抱き合う事しか出来なかった

美しい四肢を投げ出して眠ってしまった廉の体に残る傷跡

人の傷は治せても自分の傷を治すことは出来ない廉には過去に負った傷が今も消えずに残っていた

その傷を無意識に撫でていたら

廉を助けたあの日が不意に脳裏に蘇った

桜の木に縛られ慰みものにされていた廉を

助けてやる義理なんて何も無いのに

｢一緒に来るか？｣

気づけば廉の手を握り2人で夜の闇を走り抜けていた

あの日から廉は紫耀のモノになり紫耀に抱かれ紫耀を治すことが廉の生きる意味になった

“恋人･･･なんですか？“

玲奈に聞かれてもイエスと言えないのは、、、

きっと傍から見ればそう見えるのだろう

だけど2人を結ぶのはそんな幸せに満ちた言葉で表せる繋がりでは決してない

いつか廉が心から安心して暮らせる日が来る時

俺は隣に居られるのだろうか

確証の無い未来を漠然と思い

今この胸の中にいる廉を抱きしめて眠りについた