愛してる#10 ページ10
次の月曜日
買収した門番に簡単に通されあんなにも外の世界が遠く感じた廓をこんなにもあっさりと抜け出せることに変な笑いが込み上げた
あの橋の下で待っていると
｢·····しょう？｣
不安そうに聞こえた愛しい声
そっと手を差し伸べると遠慮がちに掴まった手を一気に引き寄せる
｢きゃぁっ！｣
転がるようにこの胸に抱きとめれば
｢もう！びっくりしたぁ〜｣
｢ふはっ(笑)｣
｢笑い事じゃないよ！なんで外に出られるようになったの？紫耀がやったの？大丈夫なの？｣
｢まぁな。支配人には話通してあるからこっちは大丈夫。｣
｢でも･･･っ｣
｢ええから、ちょっと黙って｣
｢･･･っん！｣
顎を掴んで見上げさせた唇を上から塞いで腰に腕を回して逃げられないようにホールドする
1週間仕事でたくさんのお客を相手にしたけど触れたくて触れたくて堪らないのはAだけだった
柔らかな舌を絡めとって鼻から抜ける可愛い吐息も聞き漏らさないように･･･全てを自分のものにしたいと貪欲にむさぼった
｢はぁ･･･はぁ･･･｣
潤んだ瞳で抗議の目を向けてくるAは男の嗜虐心を煽るだけ
そんな顔をお客にも向けていたら･･･と思うと苦しくて思わずぎゅっと強く抱きしめた
｢A好きや。お前がいればなんもいらん｣
｢紫耀･･･私もよ。また会えるなんて、、何度も夢に見たの。でも必ず朝が来れば覚めしまう。その度に泣きながら目覚めて絶望してた｣
｢もう泣かんでええよ。俺は居るから。離れてても心はずっとそばにおるからな。｣
｢うん。｣
言葉少なに口付けを交わし互いの体温を感じてるだけであっという間に辺りは白んで明け方が訪れる
離したくない離れたくないそんな夜明けを何度も過ごし一年以上の月日が経過した
真冬には紫耀がこっそりと持ち込んだ毛布に2人包まって春には橋の袂から満開の桜を見上げて
他愛のない話をして笑った
この時だけは傾城だお職だと呼ばれる自分を忘れてあの頃のままの姿で居られる
そんなある日･･･
｢ねぇ、りんちゃんって紫耀が可愛がってる禿の子でしょ？｣
｢そうやけど？｣
｢その子がこっちに移ってくるって聞いたの｣
｢え･･･｣
｢廉くんは知ってるの？｣
｢知らんと思う｣
｢その2人想いあってるんでしょ？お互い素直になれないだけで｣
｢まぁな。一応、りんは男ってことになっとるし｣
｢離れ離れになったら可哀想ね｣
｢俺もちょっと動いてみるわ。教えてくれてありがとう｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 923人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
FMY(プロフ) - Aliceさん更新ありがとうございます!大好きな作品なので、ずっと待ってました(´∀｀*)これからもお時間が、できた時に更新していただけると嬉しいです！ (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 30adcd1cae (このIDを非表示/違反報告)
somari_27(プロフ) - 改めて作品読みました。更新待ってます。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 80f214d597 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 廉君のVerから読ませていただいて、紫耀君のお話を読ませて頂きました。もう…途中から胸が苦しくて、涙が止まりません。廉君とりんちゃんが幸せになったから…紫耀君もって思っていたから尚更。山岡が憎いです。この先の2人が読みたいです。更新お待ちしてます。 (2019年11月29日 14時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ao11miyu57(プロフ) - 更新ありがとうございますm(__)m大好きな小説が更新されてて嬉しかったです。また続き楽しみです(*´ω｀*) (2019年11月23日 12時) (レス) id: bd6162dc6c (このIDを非表示/違反報告)
artn6z6(プロフ) - 更新ありがとうございます！すごく好きな作品なので嬉しいです^ ^続きが気になります…！2人が早く幸せになれますように…！ (2019年6月9日 11時) (レス) id: 121c87af95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Alice
| 作成日時：2019年1月17日 19時
