愛してる#6 ページ6
｢気をつけろよ｣
あの頃…に思いを馳せていた紫耀は無機質な支配人の声で現実に引き戻された
｢何がですか？｣
｢花雫の支配人だ。そう簡単にあの娼妓を手放すとは思えん。お職とあれば身請け話もいくらでもあるだろうが本人が断り続けてるんだろうから｣
｢分かってますよ。さんざん遠回りしてやっとここまで来たんやから｣
｢そうか…ただあの支配人には気をつけろよ｣
｢なんか…あるんですか？｣
｢いや、、もういい。仕事に戻ってくれ｣
部屋を出て廊下を歩きながらあの支配人がそれ程までに忠告する何かがきっとあるんだろうと思ったが
やっとここまで来たのに今更Aを諦めるような事は何があってもしない･･･
この街でAを見つけた時にそう決めたから
自室に戻ると海人の姿はなく畳の上にゴロンと寝転がると目をつぶった
浮かんで来るのは･･･この街で居るはずもない君と出会ったあの日のこと
その日は月に一度の色子たちの外出日で禿たちを連れて色町を歩いていた時
1人の禿が迷子になり探していた時のこと
｢おーいりんどこやー？？｣
花街の入り組んだ路地を探し回っていたら
｢居らんなぁ･･･｣
｢あの･･･華雫の方ですか…？｣
｢あっ、、はいっ！！｣
────っ、、、、
後ろから声をかけられて振り向いた先に･･･
｢A･･･？｣
｢紫耀･･･｣
｢なんで･･･｣
お互いに忘れたくても忘れられないその人が目の前にいる現実が受け止められなくて呆然としていたら
｢紫耀〜!!知ってる人？｣
勢いよく抱きついてきたりんに聞かれて我に返り
｢あっ、あぁ…まぁな。｣
Aの事をなんと言っていいのか分からずに曖昧に相槌を打てば
｢俺さ、、廉とはぐれちゃって…だってアイツさ俺のがちっこいのに歩くの速いんだもん！｣
｢ははっ、一生懸命付いてくるりんが可愛いんやろ(笑)｣
そう言って頭を撫でる紫耀を見て一瞬Aが苦しそうな顔した
｢あの花雫の色子さんが一緒に探してくれたんだ｣
りんに指を差され綺麗な笑顔を浮かべたAが
｢じゃあ、、私はこれで･･･｣
と去ろうとした手首を掴むと
｢行かせへん。りんをみんなの所に置いてくるからここで待っとって。｣
絶対やでと念を押すと困った顔して頷いた
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FMY(プロフ) - Aliceさん更新ありがとうございます!大好きな作品なので、ずっと待ってました(´∀｀*)これからもお時間が、できた時に更新していただけると嬉しいです！ (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 30adcd1cae (このIDを非表示/違反報告)
somari_27(プロフ) - 改めて作品読みました。更新待ってます。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 80f214d597 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 廉君のVerから読ませていただいて、紫耀君のお話を読ませて頂きました。もう…途中から胸が苦しくて、涙が止まりません。廉君とりんちゃんが幸せになったから…紫耀君もって思っていたから尚更。山岡が憎いです。この先の2人が読みたいです。更新お待ちしてます。 (2019年11月29日 14時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ao11miyu57(プロフ) - 更新ありがとうございますm(__)m大好きな小説が更新されてて嬉しかったです。また続き楽しみです(*´ω｀*) (2019年11月23日 12時) (レス) id: bd6162dc6c (このIDを非表示/違反報告)
artn6z6(プロフ) - 更新ありがとうございます！すごく好きな作品なので嬉しいです^ ^続きが気になります…！2人が早く幸せになれますように…！ (2019年6月9日 11時) (レス) id: 121c87af95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2019年1月17日 19時
