愛してる#26 ページ26
初めて人を殺してやりたいと思った
昔から決して裕福では無かったし
母親の職業もありバカにされることも幾度となくあった
この世界に入ってからも禿の頃は色子の先輩から嫌がらせを受けた事もある
影で見えない所へ痣を作った事だって何度も
それでも震えるほどの怒りを感じたことは無い
目の前で自分の大切な人が
全てを賭けても惜しくないほど愛しい人が傷つき凌辱され
紫耀の中でプツンと何かがキレた
｢ははは(笑)｣
乾いた笑い声を上げる紫耀をさっきまで嬲っていた男が訝しがって見ている
身体中どこもかしこも悲鳴を上げ指1本動かせなかったのに
火事場の馬鹿力って奴なのか心の奥底から湧き上がって来る力に立ち上がっても痛みなど何も感じない
｢あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!｣
突如叫び声を上げると男を体当たりで突き飛ばしAに馬乗りになる山岡を殴り飛ばした
人形のように転がり悶絶してる山岡を背に戒められた手首を解き震える体をかき抱く
｢しょ･･･っごめ･･･なさ･･･｣
｢何でAが謝んねん。俺の方こそごめんな、守ってやれなくて｣
抱きしめられて涙で霞む紫耀の背後にゆらりと影が見え
｢あ･･･っ!!!!｣
いつの間にか立ち上がっていた山岡が今度は紫耀を蹴り飛ばした
｢ぐっ･･･、、、｣
怒りに任せて湧き上がった力も底を尽き気力だけでなんとか意識が飛ばないように懸命に起き上がろうとする
｢紫耀!!｣
すぐに駆け寄ろうとしたAの髪を掴んで引き離し
｢もう終わりだ。｣
呟いた山岡がいつの間にか手に握っている小さなナイフが鈍く光る
｢死ね。｣
振り下ろされてもうダメだと目を瞑った瞬間
｢ダメーーーー!!!!｣
紫耀を背に庇うように飛び出してきたAの下腹部へドンッと衝撃音を立ててぶつかった
｢あぅ･･･、、、｣
小さなうめき声を上げて崩れて落ちていくA
｢俺は知らねえからな！！！｣
その様を全て見ていた山岡の手下が叫ぶとナイフを手に呆然と立ち尽くす山岡を突き飛ばし部屋の外へ逃げて行った
紫耀の腕に抱きとめられたAの紫陽花色の着物が真っ赤に染っていく
｢A！！！A！！！｣
傷口からは止めどなく鮮血が流れこのままでは危ない状態なのは誰が見ても明白だった
青白い顔で朦朧とするAの唇が微かに動いて
｢･･･よかっ･･･た･･･｣
｢もう喋んな･･･ｯ｣
優しい笑みを浮かべて瞳を閉じた
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FMY(プロフ) - Aliceさん更新ありがとうございます!大好きな作品なので、ずっと待ってました(´∀｀*)これからもお時間が、できた時に更新していただけると嬉しいです！ (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 30adcd1cae (このIDを非表示/違反報告)
somari_27(プロフ) - 改めて作品読みました。更新待ってます。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 80f214d597 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 廉君のVerから読ませていただいて、紫耀君のお話を読ませて頂きました。もう…途中から胸が苦しくて、涙が止まりません。廉君とりんちゃんが幸せになったから…紫耀君もって思っていたから尚更。山岡が憎いです。この先の2人が読みたいです。更新お待ちしてます。 (2019年11月29日 14時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ao11miyu57(プロフ) - 更新ありがとうございますm(__)m大好きな小説が更新されてて嬉しかったです。また続き楽しみです(*´ω｀*) (2019年11月23日 12時) (レス) id: bd6162dc6c (このIDを非表示/違反報告)
artn6z6(プロフ) - 更新ありがとうございます！すごく好きな作品なので嬉しいです^ ^続きが気になります…！2人が早く幸せになれますように…！ (2019年6月9日 11時) (レス) id: 121c87af95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2019年1月17日 19時
