愛してる#15 ページ15
｢紫陽花さん。お願いします｣
｢はい。｣
薄紫の一目見ただけで最上級の代物だとわかる打ち掛けに黒く艶のある美しい髪
透き通るほど白い肌に真っ赤な紅が艶かしく
城が傾くと言われるほど絶世の美女に付けられた傾城の名に相応しいその姿は見るもの全てを魅力する
｢失礼します｣
部屋に入ると待っていたのは紫陽花の1番の上客の山岡だった
｢相変わらずゾッとするほどキレイだな。｣
｢ありがとうございます。｣
｢今日こそいい返事を聞かせて貰えるだろ？｣
スっと伸ばされた手が膝に乗せられ厭らしく撫で回すのをやんわりと止めて
｢そのお話ならお断りしたはずです｣
｢なぜだ？悪い話じゃ無いだろ。金額が納得できないならもっと出しても･･･｣
｢そうじゃありません。私は誰かに身請けされる気は無いんです｣
｢その気の強いところも堪んないな。私は必ずお前を手に入れる。どんな事をしてもな｣
頬を撫でた手が髪を梳くように触れられ
決して痛めつけられたりしたことはないのにゾッと背筋が凍る
閨でも手酷く抱かれたことは無い
むしろ淡白な方だが山岡のAへの執着は異常と言える程で自分が1番の上客でないと気が済まず所有物のような振る舞いに嫌気がさし離れて行ってしまった客は数知れなかった
それでもお職のAに大金を支払い登廊ってくれるお客を無下にもできず自分も季明けの足しになればと紫耀には言わず今まで我慢して来たのだが
紫陽花の年季明けが近いと言う噂がどこからか出始めてからはしつこく身請け話を強要して来られ近頃は恐怖を感じるほどだった
山岡が帰り部屋へ戻る途中で今度は支配人室へ来るように禿が伝えにやってきた
コンコンッ
｢どうぞ｣
｢失礼します。｣
｢紫陽花か、山岡様は帰ったのか？｣
｢はい、今しがたお帰りになられました｣
｢そうか･･･｣
｢話って何でしょうか｣
｢山岡様の身請けの件だ｣
｢それは正式にお断りさせて頂きましたが｣
｢だからこっちへ申し出されたんだろう。｣
｢申し訳ありませんが私は山岡様に身請けされるつもりはありません｣
｢まぁ待て。そう結論を急ぐ事もないだろ。こんなに高待遇で迎え入れて下さる方なんてこの先現れないぞ。何が気に食わないんだ｣
｢お金の問題じゃないんです。｣
｢じゃあなんだ｣
｢･･･待っててくれる人がいます｣
｢家族の元にでも帰るつもりか。そんなものとっくに捨てられてるじゃないか｣
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FMY(プロフ) - Aliceさん更新ありがとうございます!大好きな作品なので、ずっと待ってました(´∀｀*)これからもお時間が、できた時に更新していただけると嬉しいです！ (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 30adcd1cae (このIDを非表示/違反報告)
somari_27(プロフ) - 改めて作品読みました。更新待ってます。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 80f214d597 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 廉君のVerから読ませていただいて、紫耀君のお話を読ませて頂きました。もう…途中から胸が苦しくて、涙が止まりません。廉君とりんちゃんが幸せになったから…紫耀君もって思っていたから尚更。山岡が憎いです。この先の2人が読みたいです。更新お待ちしてます。 (2019年11月29日 14時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ao11miyu57(プロフ) - 更新ありがとうございますm(__)m大好きな小説が更新されてて嬉しかったです。また続き楽しみです(*´ω｀*) (2019年11月23日 12時) (レス) id: bd6162dc6c (このIDを非表示/違反報告)
artn6z6(プロフ) - 更新ありがとうございます！すごく好きな作品なので嬉しいです^ ^続きが気になります…！2人が早く幸せになれますように…！ (2019年6月9日 11時) (レス) id: 121c87af95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2019年1月17日 19時
