愛してる#1 ページ1
華雫の傾城、深紅の紫耀には秘密があった
1つ目の秘密は───────
「愛してる･･･」
「うん･･･」
空が薄明るくなり始めた明け方
吉原の片隅で誰にも知られずに逢瀬を重ねる2人がいた
愛おしそうに見つめる瞳は数々の女を虜にし過去最高の花代を稼ぐと言われている色子が決して客には見せない顔
花街に流れる川に掛かる橋の下
通りすがる者達からは決して見えない死角で愛しい人の小さな身体をキツく抱きしめた
「もう少しやから。もう少しで迎えに行ける」
「うん。待ってる。でも無理はしないでね？」
なんか痩せたんじゃない？と笑う彼女もまた華美な着物を身につけた美しい人だった
「そんなんないよ？まぁ廉が居らんから張合いはないけどな(笑)」
「紫耀、廉君大好きだったもんね(笑)」
「廉よりもりんが居らんのが寂しいわ…」
「でも良かったでしょ？お気に入りの2人が上手く行って」
「まぁな･･･Aが教えてくれんかったらあの二人もどうなってたか分からんし。ホンマにAのおかげやわ。」
「私たちがこうして隠れて会ってることにも意味があったのね(笑)」
「別に意味なんか無くてもいいけど･･･Aさえ居てくれたら」
「うふふ、、、嬉しい事言ってくれちゃって･･･」
「もうタイムアウトや･･･おしゃべりはお終い」
「･･････っ、」
一方的に話を終わらせて重ねた唇
いつもこの瞬間が1番辛いのはお互い様で
朝日が完全に登りきる前に戻らなければならない
幾度となく惜しむように唇を重ねては離しまた重ねて
その想いをお互いに刻み付けた
「･･････はぁっ、、」
うるんだ瞳で見上げる彼女をこのまま連れ去れたらどんなにいいか。
でもそれは出来ない。それをすれば2人一緒に生きるどころか2度と会うことも叶わない
唇を離すとAを先に帰し頃合を見計らって自分も廓へと戻った
明日もまたその身を誰かに抱かれる彼女の現実を見ないよう目をつぶって
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FMY(プロフ) - Aliceさん更新ありがとうございます!大好きな作品なので、ずっと待ってました(´∀｀*)これからもお時間が、できた時に更新していただけると嬉しいです！ (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 30adcd1cae (このIDを非表示/違反報告)
somari_27(プロフ) - 改めて作品読みました。更新待ってます。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 80f214d597 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 廉君のVerから読ませていただいて、紫耀君のお話を読ませて頂きました。もう…途中から胸が苦しくて、涙が止まりません。廉君とりんちゃんが幸せになったから…紫耀君もって思っていたから尚更。山岡が憎いです。この先の2人が読みたいです。更新お待ちしてます。 (2019年11月29日 14時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ao11miyu57(プロフ) - 更新ありがとうございますm(__)m大好きな小説が更新されてて嬉しかったです。また続き楽しみです(*´ω｀*) (2019年11月23日 12時) (レス) id: bd6162dc6c (このIDを非表示/違反報告)
artn6z6(プロフ) - 更新ありがとうございます！すごく好きな作品なので嬉しいです^ ^続きが気になります…！2人が早く幸せになれますように…！ (2019年6月9日 11時) (レス) id: 121c87af95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2019年1月17日 19時
