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噂によれば一皮剥けた色気は紫耀や廉を凌ぐほどと言われているがそれを見ることが出来るのは寝屋を共にしたお客さんだけである
「岸くん…支配人行ったよ。」
支配人に呼び止められた布団部屋の目の前で声をかければそろそろと扉が開いた
短く刈られた茶色い髪が清潔感を感じさせ華雫最年長とは思えぬ人好きのする笑顔を浮かべて
「サッセ…、、Aマジありがとう!」
「ありがとうじゃないよ。今の話ホントなの!?」
「サッセ…、、」
「はぁ…。本当に間夫じゃないんだよね?」
優太に限って…とは思うけど色子は時々、間夫と呼ばれる情婦
恋人といえば聞こえがいいが自腹を切って行為をする為に呼び寄せる相手を作るものもいる
「そんなんじゃねーよ!せっかく俺なんかに揚代払って馴染みになってくれたのにもう来れないとか言われると悪いなって思っちゃってさ…」
頭を掻きながら苦笑いをうかべる優太にため息をつく
「それでちゃんと払ってもらえてるの?」
「おう!少しづつの人もいるけど俺のお客さんみんないい人だからな!だいたいお職でもねーのに花代が高すぎんだよなぁ…」
「それが岸くんの価値なんだから自分を安売りしちゃダメだよ?」
「それは分かってってけど昔馴染みのお客さんには悪くてさ…」
「その謙虚さ廉にも見習わせたいよ…」
「いや!紫耀と廉はお職だし貰えるだけ貰わなきゃダメだろ!」
「岸くんだって売れっ子じゃん」
「あっ、なんかサッセ…、、(笑)」
「そこ照れるとこじゃないから!そのうち支配人から折檻されても知らないからな」
「分かってるって!じゃな!」
片手をあげて部屋へ向かう優太の鮮やかな紫の着物姿の背中を見ながらどうしてあんなに良い奴がこんな世界に居るんだろうって切なくなった
こんな所へ来たくて来た色子や禿は誰一人いない
みな抗えない事情を抱えた弱者だった子供の頃に売られているからだ
それでも肩寄せあってみんなで辛い現実の中でも小さな喜びを見つけて逞しく生きてる
それはここでトップを走る5人の色子の背中をみんな見てるから
辛い時も前向きに生きることを教えてくれる彼等があってこそ今の華雫があるのだ
女のAが本来居るべきじゃない場所
自分がどうして男廓に売られて受け入れられたのかも全くわからない
それでも女の中で生きるよりはよっぽどいいし今はこの廓がAの居場所だ
優太のおかげですっかり廉への腹立たしさも消えて部屋へもどった
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ななみ(プロフ) - 初めまして。読み始めてすぐに「きたー!」って思うほど引き込まれております!廉君、いわち、紫耀君…みんな綺麗なんだろうなぁ…。先を読むのが楽しみです。 (2019年11月29日 8時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ひかるさん» 一気読みありがとうございます(≧∇≦)永瀬担さんにキュンキュンして貰えるか心配だったので良かった(^^;)私のお話で再認識してくれるなんて(*/ω\*)れんれんのあの色気があったから作れた作品だと私も思います(*^▽^*)この話にときめいたあなたはやっぱり永瀬担(笑) (2019年1月17日 19時) (レス) id: 6abfb3b6fc (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 今まで読んだ事ないタイプの小説で引き込まれて一気読みしちゃいました!!永瀬担の私はたまに見失いがちな?廉の色気を再認識してキュンキュンしました笑 やっぱり私は廉が好きなんやなって←浮気症か笑 (2018年12月28日 5時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - ありがとうございます!さっそくフォローさせて頂きにいきますね! (2018年12月22日 23時) (レス) id: d1c8a3d32a (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ゆらさん» わぁ〜!ありがとうございます(*/▽\*)キャッTwitterは→@Alice15479955です!占ツクでのお話の予告や番外編も公開してますのでよろしくお願いしますd(≧▽≦*) (2018年12月22日 22時) (レス) id: 6abfb3b6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice | 作成日時:2018年10月19日 14時