始末屋と女の子***∞ 2

アリスの証 ページ4

さっきから、座ってられへん。



今、アリスは痛めつけられてるかもしれへん。

恐怖に怯えて、泣いてるかも分からへん。



何でそんなときに、俺は助けてやれへんねん!



『…エース。』



『何や!』



『部屋戻って、ゆっくり休んどけ。

明日に備えとかんと、相当キツい相手やから。』



『…分かった。』



部屋に戻るまでの廊下を歩くと、

そこらにたくさんアリスの居た証はあるのに。



一緒にさっきのソファで酔いつぶれて寝た。

階段でつまずいたアリスを支えた。

廊下でアリスとキスをした。

アリスの部屋で喧嘩したら、俺の部屋で仲直りのハグをした。



アリスは喧嘩して負けた俺を、いつも優しく撫でてくれた。

時には、そっと血を拭って傷の手当てをしてくれた。



部屋のベッドに寝転がると、

前にここで押し倒したら本気で泣かれた、とか

しょーもないことばっかり浮かんできて。



『…アリス。』



すぐ助けに行くからな。

クラウンなんかに負けてんちゃうぞ。



……会いたい。

アリスに会いたい。

会ったら強く抱きしめすぎて怒られるかもな。

2週間も離れたことなんて無かったから、恋しくてしゃーないわ。



目元が熱くなって、視界がにじむ。

あくびのせいや、って思い込んで目を閉じた。

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