第4話 ページ6
うらたぬきside
あの後、俺と志麻くんはセンラに呼び出された。
作り笑顔をし出した時には、流石に警戒しすぎたかとは思った。
…でも悔しさだってあるんだ。
俺たちも頑張って活動してきたのに、経験なしの『ハズレ』を回されたのはなんでなんだ、って。
これは志麻も同じだって言ってた。
そんなんならマネージャーなんていらないって。
センラ「うらたんに志麻くん、言いたいことは分かるんけどちょっと聞いてくれん?」
なんでセンラはアイツの肩を持つのか分からない、そう思っていた時だった。
センラから衝撃の一言を聞いた。
センラ「あんな、あーゆー可愛い子ってずっと手元に置いておきたいから、わざと仕事回されなかったってこともあるらしいねん。」
すると志麻はハッとした表情になった。
志麻「俺もあの事務所のウワサ聞いたことあるかも…」
そう言えば反対するとき、事務所の嫌なウワサを聞いたことがあるから…とも言ってた。
仕事を回される様になったってことは上司がやっとクビにでもなったのだろう。
昔は一流の事務所だったから…と受け入れた訳だし、責める必要は完全になくなった。
向こうのリビングからは坂田がわたわたしながらも仲良くしようと話しかけてる声が聞こえる。
もうちょっと考えてればな。
うらた「今からでも遅くない…かな……」
センラ「うらたんなら大丈夫!」
志麻「俺もちゃんと向き合ってみることにする…」
センラ「志麻くんならいける!」
…よし、ネガティブになりすぎだ、俺!
折角のマネージャーだ、仲良くなった方がいいに決まってる!
ちゃんと謝ろう。
リビングへの扉を開いた。
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作者名:林檎紅茶 | 作成日時:2020年1月3日 12時