045 ページ45
今度はケイトを見る。バツの悪そうな顔をしていた。
「ケイト、私はケイトを許してると思ってるかもしれないけど、許してないよ。トレイの方を見て言っていただけで、ケイトにも言ってるの。それに、何度も言ったはずよ。髪を触る癖はやめなさいと」
ケイトの視線が左右に揺れ、「そうだったね、ごめんね」と笑う。
「結局、寮を最低にしてるのはあんたら二人だよ…もう話しかけないで」
*side Cater*
ca「はー…痛いところ突かれちゃったなー」
無理に笑ってみせたが、トレイくんはじっとこちらを見るだけだ。愛想笑いじゃごまかせない関係。それが、オレとトレイくんと、それからAちゃんだ。
***
「ケイト、どうして愛想笑いなんかするの？」
ca「え？ええー…してた？」
癖で髪に触れる。
「今もしてる。ねえ、どうして？」
Aちゃんは、良くも悪くも真っすぐな人間だ。自分の目指したものに一直線で、それでていて負けず嫌い。勝つための努力を惜しまない。何にでも全力で挑み、それは例えるなら小さなウサギ一匹を追いかけるために数ヶ月前から綿密に計画を立てて、実行するようなもの。だからこそ、自分に自信があった。絶対に失敗しない、成功しかしない。
そんな自信のある彼女が眩しかった。でも、チカチカとするような眩しさではなくて、その光にあてられると凄く温かい気持ちになる。光のそばにいたくて、オレはずっと笑顔でいられるように努めた。
「ケイト、髪に触るのは自分に自信がない証拠よ」
ca「へー、そうなんだ！Aちゃんって物知り！」
真っすぐな瞳は時として凶器に見える。彼女の眼差しから逃げるように、スマホでマジカメをチェックする。
「マジカメに写真をアップするのは自己顕示欲の表れに見える。やめろとは言わないけど、」
ca「もう、心外だなー。映えるの見つけたら、マジカメにアップしたくなるでしょー？はい、Aちゃんも一緒にー」
顔をくっつけようとすると、「やめてよ」と押し返される。
結局撮れたのは、Aちゃんが真面目に勉強している姿だけ。オレはこれを、マジカメに載せたくなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 983人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Alex(プロフ) - ZerAさん» ありがとうございます！泣かないでー！また近日更新しますので、お楽しみに！ (2022年9月28日 21時) (
レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - 本当に、、苦しいけどとても面白いです、！苦しくて泣きそうになりながらでも面白くて悶えながら見てます！！！！！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page46 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» とんでもないです！また近日中に更新しますので、お待ちくださいませ！ (2022年9月20日 14時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - Alexさん» うわああああ！！！更新ありがとうございます！！お話最高でした………泣泣本当に素敵な作品です……大好きです！ (2022年9月19日 22時) (レス) @page42 id: 7a1bc190bc (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - いろはすさん» ありがとうございます！近日中に絶対更新します！ (2022年9月7日 21時) (レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2020年4月4日 13時
