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扉の向こう側にいるトントンへ一瞥くれてやり、チッと舌を鳴らした。「聞こえとるぞ」とトントンは向こう側から言うが、だからなんだという気持ち。今度トントンを驚かせてやろうと思ったが、八十年程一緒にいるけど彼の嫌いなモノはおろか、彼の驚いた姿すら見たことなどなかった。
「で、今日は何の用？」
rb「別にお茶飲みに来たわけちゃうよ？はい、こんなの持ってきた」
小さな袋から取り出したのは、石ころとぐしゃぐしゃに丸められた紙袋。まずは石ころを手に取り、虫眼鏡で様子を見る。その間にロボロは、執務机を挟んで扉側に設置されていた椅子へ腰かけた。
「…何これ？」
rb「親愛なる吸血鬼、A様。それは見るものじゃなくて、こうして、」
ロボロは手であろう部分を耳にあてた。
rb「聞くもんやで」
手袋をはめ、石ころをおそるおそる耳にあてた。すると、
「っ、」
一瞬のことで分からなかった。
「な、にこれ…」
ロボロはニヤニヤと笑ったまま。確かに聞こえた、石ころのから。
「どうして悲鳴が聞こえるの？」
しかも私の悲鳴が。あれは確かに、私の声だった。私の悲鳴だった。
rb「それは叫びの山の火口付近でしか手に入らない石や」
「叫びの山って…ロボロ、あそこ入れるの？」
rb「まあ、こう見えても人脈は広いので」
ふふんと得意気な顔。
rb「で、それはな…石を持った人の血流を敏感に感じ取って、その持ち主の声帯を完璧に模写して石の中で叫ぶ…っていう石」
「…それが競売で売れると思う？」
rb「それを判断すんのが、Aの仕事やろ？」
「はあ…はいはい」
石を箱の中に入れ、これについては後で調査することにした。
「そんで、これは？ゴミ？」
rb「ゴミ！？とんでもない！お前、これはかなり貴重な発見やぞ！？」
ロボロが天と書かれた紙を顔から剥がして、こちらに迫ってきた。
「分かった分かった。ちょっと落ち着いてってば」
彼を落ち着かせ、まずは紙袋の中からゆっくりと品物を出す。しかし、手に乗ったそれを見て心底落ち込んだ。
「ゴミじゃん、やっぱり」
林檎の芯をロボロに見せた。しかも、随分と昔のもののようでなんだか異臭もする。
rb「これがゴミって…審美眼はどこにいったん…」
「だってこんなのどっから見てもゴミじゃない！私の齧った林檎の芯の方が、よっぽど高く売れるわよ」
rb「これはな、ヒトの子の祖であるアダムとイブが齧ったと言われる林檎や」
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Alex(プロフ) - 鷹尾さん» ありがとうございます！現在続編を書いてるところなので、お楽しみにお待ちくださいませ！今後とも引き続き宜しくお願いいたします！ (2019年8月8日 19時) (
レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 十音さん» もちろんです！現在書いている続編では、エミさんとコネシマさんが登場してます！お楽しみに！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
鷹尾(プロフ) - コメント失礼します！相変わらずAlexさんのまとまった綺麗な文章と、面白いストーリー性にはいつも感服させられます..今後のストーリーが楽しみです！これからも無理なく活動を続けて下さい！応援しております！ (2019年7月25日 6時) (レス) id: 1713adb778 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 続きはゾムさんとかオスマン先生とかも関わってくるんかな? 楽しみにしてます! (2019年7月23日 22時) (レス) id: c8ef4a1018 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» ありがとうございます！私も書いていてとても楽しいです！今後もぜひご覧くださいませ！ (2019年7月22日 21時) (レス) id: 88753e3a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年7月22日 0時
