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その言葉と同時に、シャオロンの頭を押さえて床に伏せさせた。後ろでまとめていた紙が舞う。
cn「俺の家まで走れ！」
かけていた眼鏡を乱雑に投げ捨て、チーノは手前に置いてあったデスクに飛び乗り、それからトントンの机まで跳ねた。彼の右手が大きく振り上げられ、トントンはそれから逃れるように後ろへと下がる。こんな時、審美眼の私には戦闘の手伝いは何もできない。トントンの顔を掠めたチーノの右手。それはトントンの左手によって奪われ、彼の背中の後ろへと回される。
tn「魔法使い舐めんなよ…戦闘はできんと思ったか？あ？」
ニヤっと笑うトントン。このままじゃチーノが危ない。
「チーノを離しなさいよ！」
そばに置いてあった愛用のマグカップをトントン目掛けて投げつける。一瞬気の逸らされた彼はチーノの手を離し、それからすぐに私の方へ杖を向ける。
cn「A！」
しかし杖を持った手はチーノによって、先程とは逆に背中へと回される。
cn「グルッペンや！グルッペンが全てを握っとる！」
tn「くそっ、」
杖を振り上げるトントンに、近くにあった椅子を蹴って態勢を崩させるチーノ。
cn「はよ行け！」
「っ、」
シャオロンの手を引き、事務所を飛び出した。
sya「A！」
「なに！？」
sya「なんでトントン怒っとんの！」
知らない。なんで杖をこっちに向けてきたかなんて。知ってたら、もうこんなところ辞めてるっての。グルッペンのいる部屋は、オークション会場を挟んだ向こう側。彼の部屋は大きくて、私も数える程度しか入ったことがない。そもそも、グルッペンと話すことはそんなにないし。誰もいないオークション会場を走って通り抜け、あと一つだけ扉をくぐればグルッペンの部屋へと辿り着く。長い従業員用の廊下を走り抜け、重厚な扉目掛けて走るスピードを上げる。片手で掴んでいたシャオロンの手。さっきよりも重く感じる。
sya「A、待って、」
それもそのはずで、吸血鬼とヒトの子。勿論私の方が体力はある。シャオロンに疲れが見えてきたということ。
「ご、めん！でも、今は、走って！」
シャオロンを置いていくことはできなかった。トントンが杖を振り上げた瞬間、そうするべきだと頭の中で警報が鳴ったのだ。さあ、扉まであと少し。手を伸ばした時、その扉が向こう側から開いた。
「っ、う、鬱先生！？」
ut「Aちゃんどうしたん？そんな急いで」
中から出てきたのはオークショニアの鬱先生だった。
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Alex(プロフ) - 鷹尾さん» ありがとうございます！現在続編を書いてるところなので、お楽しみにお待ちくださいませ！今後とも引き続き宜しくお願いいたします！ (2019年8月8日 19時) (
レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 十音さん» もちろんです！現在書いている続編では、エミさんとコネシマさんが登場してます！お楽しみに！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
鷹尾(プロフ) - コメント失礼します！相変わらずAlexさんのまとまった綺麗な文章と、面白いストーリー性にはいつも感服させられます..今後のストーリーが楽しみです！これからも無理なく活動を続けて下さい！応援しております！ (2019年7月25日 6時) (レス) id: 1713adb778 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 続きはゾムさんとかオスマン先生とかも関わってくるんかな? 楽しみにしてます! (2019年7月23日 22時) (レス) id: c8ef4a1018 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» ありがとうございます！私も書いていてとても楽しいです！今後もぜひご覧くださいませ！ (2019年7月22日 21時) (レス) id: 88753e3a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年7月22日 0時
