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cn「A、お前今すぐここから逃げろ。シャオロン連れて」
「え？」
チーノが低く唸る。
「どういうこと？」
トントンがぽきぽきと手を鳴らし、いつも腰にぶら下げている木の棒を手に持った。
「え、待ってよトントン…どういうこと？」
cn「そういうこと。明らかな殺意が見えとる」
トントンの目は座っている。
「私たちを殺そうとしてるってこと…？」
シャオロンに目くばせし、彼をこちらに呼び寄せる。トントンは何も反応を示さない。
cn「魔法使いと戦うとか何年振りやろうな」
腕を伸ばしてストレッチをするチーノ。吸血鬼はかつて、暴力的で戦いに特化した種族であった。身体も強く、戦闘能力も高い。しかし、文字通りある時期を境に牙を抜かれた。ヒトの子らとの戦争に負けたのだ。彼らの圧倒的な武器の貯蔵、数に最初は善戦していたものの後半ではほとんどが絶滅させられた。ぐちゃぐちゃに切り刻まれ、土へと還される。残った吸血鬼たちでヒトの子に戦争を仕掛けることもできず、不平等な条約を結ばされた。私たちはヒトの子らの生きる邪魔にならないよう、あくまで「間借り」させていただいている種族として振舞わなければならない。さて、かつて戦争にも出征したことのあるチーノではあるが、魔法使いとの闘いは厄介だ。彼らは私たちの理解の及ばない術を使い、トリッキーな戦い方をする。ただ拳や剣を使うだけの戦闘なら慣れているが、魔法だの術だのに対応はできないのだ。
cn「どうしたん？少し迷いがあるようやな」
tn「俺の心を読むな、チーノ」
白いワイシャツを腕まくりするチーノ。煽るのは彼のお家芸だ。
cn「俺のことも、Aのことも。ほんまは殺したくないんやろ？そして、そこのシャオロンのことも。本当は巻き込みたくないと思っとる」
tn「うるさい…」
cn「Aのことを雌として好きやし、これを俺の前で考えることに多少なりとも引け目を感じる理性的な男やと俺は思う」
tn「黙れ！」
事務所の中に置いてあった花瓶が音を立てて割れた。
cn「Aには逃げてほしくないし、止めてほしいとも思っとる。そこまでの葛藤がありながら、何故殺そうとする？」
tn「林檎のことを知られたからや。せやから、」
杖をこちらに向けるトントン。そんな、どうか嘘だと言ってちょうだいよ。
tn「俺に黙って殺されてくれ」
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Alex(プロフ) - 鷹尾さん» ありがとうございます！現在続編を書いてるところなので、お楽しみにお待ちくださいませ！今後とも引き続き宜しくお願いいたします！ (2019年8月8日 19時) (
レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 十音さん» もちろんです！現在書いている続編では、エミさんとコネシマさんが登場してます！お楽しみに！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
鷹尾(プロフ) - コメント失礼します！相変わらずAlexさんのまとまった綺麗な文章と、面白いストーリー性にはいつも感服させられます..今後のストーリーが楽しみです！これからも無理なく活動を続けて下さい！応援しております！ (2019年7月25日 6時) (レス) id: 1713adb778 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 続きはゾムさんとかオスマン先生とかも関わってくるんかな? 楽しみにしてます! (2019年7月23日 22時) (レス) id: c8ef4a1018 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» ありがとうございます！私も書いていてとても楽しいです！今後もぜひご覧くださいませ！ (2019年7月22日 21時) (レス) id: 88753e3a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2019年7月22日 0時
