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「こんにちは。エーミールさんですね」
入国審査を済ませて空港の出入口に行くと、ボードを持って立っている現地のコーディネーターがいた。彼に近づくと、そう声をかけてくれる。車に乗せられ、病院へと到着した。スーツケースを車から降ろし、病室まで運んでもらう。
「どうぞ、ここの部屋をお使いください」
男性はそう言って、角部屋を案内してくれる。
「何かあればそこの電話で受け付けを呼んでください。医師は常におりますので、ご気分が優れない場合はお申しつけください。奥様のベッドは、簡易的なものですがこの部屋にもご用意できます」
「じゃあ、そうしてください」
「ご飯はここにお持ちすることもできます。エーミールさんは明日の朝、ですので…夜ご飯をここにお持ちいたします。朝ごはんはどうされますか?」
eml「朝ご飯は結構です。Aは?」
「私も大丈夫」
男はメモをして、「ごゆっくりお過ごしください」と病室から出て行った。
「せっかくだから、ちょっと見て回ろうよ」
そんな彼女の手を掴んだ。
eml「ここでゆっくりしたい」
Aさんは「分かった」と柔和な笑みを浮かべる。二人掛けのソファに腰かけ、背もたれじゃなくてお互いがお互いに寄りかかった。
「今日ベッド用意してもらえるみたいだけどさ」
eml「うん」
「エーミールと一緒に寝たいな」
絡まる指をきゅうきゅうと締め付ける。
eml「最初からそのつもりやったけど」
「ほんと?じゃあ、久しぶりに一緒に寝ようか」
俺たちは何時になったら寝るんだろう。この穏やかな気持ちのまま、眠るように死ねたらいいのに。
「なんかさ、どんな話しても辛くなりそうでさ…もう、何も話したくないよ…」
eml「俺も。…ごめんな、ほんま」
「謝るのやめよう?もっと辛くなる」
ほんま何も話すことができない。沢山話したいことがあるのに、話そうとすると心臓が締め付けられて辛くなる。この話はしたらあかんな。じゃあ、この話は?って考えて、また心臓が締め付けられて。その繰り返しだ。だから、Aさんの手を握っている方がなんぼかいい。
「トントンさんにね、私も安楽死したいって言ったの」

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Alex(プロフ) - ドナドナさん» ありがとうございます!アラルカァイがよく分かりませんが、喜んでくださって光栄です。お辛い経験されたんですね。心中お察しします。 (2020年4月19日 21時) (レス) id: 68d9b196e6 (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ - この作品がすごすぎて、目から滝のようなアラルカァイが...夢主のお話が自分にそっくりで、なんとなく嬉しかったです。ありがとうございました。 (2020年4月19日 1時) (レス) id: e73edfc34e (このIDを非表示/違反報告)
きぃ(プロフ) - ウォォォォォォォオオオオオン!!!!!!(*ノД`*)・゚・。 (2019年9月2日 2時) (レス) id: d9682ceb69 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - おつるさん» 涙ふきふき。そう思ってくださり、ありがとうございます!今度はうれしい涙が流れてしまうような話を考えます! (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - ぐろこさん» ご覧いただきありがとうございます!ちょっと悲しすぎましたね…次はほっこりエーミールを書いてみます! (2019年8月8日 19時) (レス) id: 8d1909fe0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alex | 作者ホームページ:http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/  
作成日時:2019年5月25日 14時

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