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gr「何してんねん」
グルッペンの呆れた声。足音と共に彼は近づいてきて、私の耳たぶからピアスを奪った。
「ちょっと」
gr「俺がやる。おい、消毒液取ってこい」
それはオスマンに言ったようで、彼も消毒液がどこにあるのか分かっているのかグルッペンの机の脇にある棚からそれらしきものを取っていた。
gr「奥歯噛んで」
グルッペンの冷たい声が降りかかる。顔を上げると、立っている彼の目が割とすぐそこにあった。言われた通り歯を喰いしばり、目も閉じる。
gr「痛いで？」
「っ、」
耳の形をなぞって鼓膜に届くように彼の声が聞こえた。低いのにその甘い声色。こんな時だと言うのに、鳥肌が立った。
gr「力抜いて」
耳たぶを強い力でつまんでいる。恐らく血を止めているか何かしているんだろう。痛くないようにと、彼なりの配慮が見える。
gr「カウントいくで？さん、に、」
なかなか「いち」が来ない。どうしたものかと彼の顔を見れば、その顔に心臓が大きく動いた。
gr「すまんな」
「い、ったあ…！」
あの一瞬の表情はなんだったんだろう。痛いのはこっちのはずなのに、彼は私以上に痛そうな顔をしていた。しかし、グルッペンはすぐにいつもの意地悪そうな顔に戻って、思ってもいないのに「すまんな」と言う。彼のことは本当によく分からない。
gr「これでええやろ。ロボロ確認しといて」
rb「発信も大丈夫、GPSも機能してる。こっちの声は聞こえないけど、そっちの声は聞こえてるから」
「分かった」
オスマンが消毒液をティッシュにしみ込ませ、耳たぶの周りを拭いていく。
os「ちょっと腫れたな…グルちゃん、無理させすぎやで」
gr「ああ？そんなんしゃあないやろ、ああするしかなかったんやから」
まあ、彼の言うことはもっともだ。
「…それじゃあ、私は行くよ。まず第一に人質の解放、そしてできる限り彼らを留めさせる。その間にどうやって中に入るか考えておいて。最悪の場合も想定して、行先の国には情報を伝えて。できる限りでいいから。この陣頭指揮はグルッペンに任せる」
彼に敬礼をすると、グルッペンはそれに応えた。他のメンバーも、それに倣って返礼をする。
「頼りにしてるよ。…オスマン、私を空港まで送ってくれ。一応ゾムも連れてきて。空港での軍の指揮はオスマンに任せる。エーミール、コネシマ、ロボロはグルッペンの補佐。それじゃあ、行こうか」
オスマンを引き連れ、私は空港へと向かった。
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Alex(プロフ) - honaさん» 更新遅れて本当にすみませんでした…！設定は細かく作っておりまして、そのメモ帳をお見せしたいくらいです…！また更新していきますので、しばらくお待ちくださいませ！ (2019年5月12日 22時) (
レス) id: 6059f767f4 (このIDを非表示/違反報告)
hona(プロフ) - この作品も続きをずっと楽しみにしていたので、更新とても嬉しいです！！お疲れ様です！Alexさんの作品はどれも世界観やそれぞれの設定が細かく丁寧に考えられているのでとても好きです！これからも応援しています！長文失礼いたしました！ (2019年5月12日 18時) (レス) id: 48a2501d4d (このIDを非表示/違反報告)
変なカピバラ(プロフ) - 貴方の書く作品が好きです。構成もよく出来ていると思います、次の更新楽しみにしていますね。 (2018年7月29日 5時) (レス) id: d41689c471 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 作者様の作る話の構成がとても好きで何度も読みなおしています。また、続きが更新するのを楽しみにしています。今更のコメントをお許しください。応援してます。 (2018年3月30日 12時) (レス) id: 6c04e61fd9 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - リサさん» 続き更新します！もう少しだけお待ちください…。ちょっとだけ構成を練っておりまして、いまストップしておりました。少々お待ちくださいませ！ (2018年3月6日 21時) (レス) id: 89bb6061f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2018年1月11日 22時
