逢引アクアリウム-2 ページ10
「到着〜」
「フロイド君、歩くの速いッス」
「そお？ 普通だけど。じゃあ、ごゆっくり〜。あ、ここワンドリンク制だから」
ひらひらと手を振って背を向ける。
長い足を見せびらかすように大股でバックヤードに入っていった。
「いや、席にくらい案内してほしいッス。──って、ワンドリンク制！ 忘れてた……財布の中、何マドルあったっけかな」
「……」
「レグルス君？」
「……きれい」
「へ？」
これが……海？
画面越しでしか見たことのない海の世界が、目の前に広がっている。
なんて幻想的な光景なのだろう。
ウィンタベリーのオクタヴィネル寮を訪ねたことはあるが、海をモチーフとしているだけでここまで海中を再現した場所ではなかった。
暁闇の星原とは違う美しいその景色に、私は心から感嘆して見入ってしまっていた。
「気に入っていただけて何よりです。席に案内しますので、こちらにどうぞ」
「フロイド君？ 着替えたら随分雰囲気が変わるんだね。営業用スマイル？」
「はい？」
「いやいや。フロイド君と双子のジェイド君ッスよ」
「双子……」
よく見たら髪型がシンメトリーになっている。
双子と言えば、レグルスは今頃どこで何をしているのだろう。
王宮から便りがないということは、まだ逃げている最中なんだろうけど。
「っ……くしゅ」
席に座ってメニュー表を見ている時にくしゃみをしてしまった。
ちょっと冷えるのかな。
ガラス越しの海に囲われて涼しげな雰囲気ではあるけど。
「あれ？ レグルス君、風邪ッスか──うぉ」
「スターフィールド、大丈夫か！？」
「へ？」
「寒いのか？ なら俺のブレザー羽織ってろよ」
「俺のも。膝掛けにしてもいいからさ」
「スタッフに頼んで空調調節してもらうか？」
「え……いや、別にそこまででは……」
「暖かいお茶飲むか？」
「いや、こいつがいつも飲んでるのは紅茶だろ。あの、なんか甘ったるそうな」
「待っててください！ 俺、頼んできます！」
「えっと……」
……どういう状況？
お客として訪れていたサバナクロー生が私に駆け寄り、次々とブレザーを被せはじめた。
近くにいたオクタヴィネル生のスタッフにロイヤルミルクティーを注文し、いいから飲んで体を温めろと半ば強要さるかたちで与えられる。
なんだこの待遇は。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません！続編待ってます！(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (
レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ！！()やっとね！！やっとね！！おほほほほ！！！(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます！) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです！！続き待ってます！！！！引き続き執筆頑張ってください！ (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2023年10月21日 20時
