逢引アクアリウム-6 ページ14
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「ずるいッス! 二人だけで食事してくるなんて!」
「あとでラギーも来ると思ってたから……ごめん」
むっすーと頬を膨らませたラギーに私は言い訳をして謝った。
閉店時間まで来ないなーと思ってたら、どうやらレオナ様から知らされていなかったらしい。
今度また行こうね、奢るから──と約束するとちょっと機嫌が直った。
ラギーは扱いやすい。
「あそこ、いいでしょ」
「うん。すごくきれいだった。時間を忘れてしまうくらい」
「イベントで一般の人も入れる時なんか、めちゃくちゃカップルで賑わってるッスよ」
「あーなんか雑誌で見たことあるなって思ってたけど、特集かなんかで載ってた?」
「そうそう。デートスポットとしてめちゃくちゃ人気だけど、なにせ普段は一般人は入れないッスからね〜。彼女がいるウチの生徒なんか、イベントの時は高確率で連れてきてるッスよ」
「デート……?」
「どうしたんスかレグルス君。あ、ユウ君を誘うつもりッスね! うまくいくといいッスね」
「その話引っ張るのやめて! もう寝るからっ」
逃げるようにベッドに入る私を見てラギーはキシシと笑う。
もう、いつになったら誤解が解けるんだ。
デート……か。
ラギーの話で唐突に意識してしまった。
学生なら一度は夢見てしまう恋人とのデート。
ウィンタベリーでも恋バナはどんな話題よりも盛り上がっていた。
きっといつかわたくしたちも……なんて、甘い乙女のささやかな夢を語り合う。
私には無縁だと思っていた。
けれどもし、それが現実となるのなら──……
眠りに落ちる前に浮かんだのは、アクアリウムの光に照らされて隣を歩くレオナ様の姿だった。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません!続編待ってます!(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ!!()やっとね!!やっとね!!おほほほほ!!!(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます!) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです!!続き待ってます!!!!引き続き執筆頑張ってください! (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時:2023年10月21日 20時