逢引アクアリウム-3 ページ11
ラギーはブレザーまみれになりながらミルクティーを飲む私の状態を見てずっと笑っていた。
「いやぁ、大切なものは失って初めて気づくもんスからね」
「……なにそれ。誰かの詩？」
「この前共有したサバナクローみんなの体験談ッス」
なんだそれ。
暑くなってきたのでブレザーを一枚ずつ丁寧に折りたたんで隣の椅子に並べていく。
ラギーが呼びかけて本人たちが回収しにきてくれた。
ありがとうとお礼を言うと、「いや、俺らスターフィールドがいてくれないと困るから！」とよくわからないことを言っていた。
「レグルス君が元気でいてくれることが、寮の平和だって思い知らされたッスからね」
「そこまで大層な存在ではないと思うんだけど」
「いやいや、レグルス君がディアソムニアに行った日もレオナさんの機嫌が最高潮に悪くって、ずーっと空気がピリピリしてたんッス。マジフトの練習もスパルタでさぁ、大変だったんスよ」
「あー……あの日は夕食の用意も部屋の掃除もできなかったしね」
「いや、そういうことじゃなくてレオナさんはレグルス君を──じゃなかった！ 部活！」
レオナ寮長の話題で思い出したのか、時計を見たラギーは慌てたように席を立った。
「行ってきていいよ。今日は僕がおごるから。この前心配かけたお礼」
「やったッス！ じゃ、お言葉に甘えて。レグルス君はまだここにいるつもりなんスか？」
「うん。なんかここの雰囲気が気に入ったから、もうちょっと居たい。期間限定の浜辺のパンケーキとキラキラ貝殻パフェも食べたいし」
「……あまり遅くならないでくださいよ」
「部活が終わるまでには帰るよ」
手を振って出ていくラギーを見送って、壁面の水槽に視線を移す。
ライトで照らされた水の中を色鮮やかな魚がのびのびと泳いでいる。
移ろい変わっていく景色に同じものはない。
ずっと海に憧れていた。
星空とは違う輝き。
サバンナの地には無縁の青い世界。
こんなにも美しいものだなんて。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません！続編待ってます！(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (
レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ！！()やっとね！！やっとね！！おほほほほ！！！(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます！) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです！！続き待ってます！！！！引き続き執筆頑張ってください！ (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2023年10月21日 20時
