12 ページ12
「ﾔﾏｶﾞﾀｻﾕﾘ・・・さん？」
「はい」
指定されたコーヒーショップのテーブルに着いてすぐに、やけにニヤニヤした男に声を掛けられた。
馴れ馴れしいというか図々しいというか、何ていうか。
座ってるアタシのアタマの先から足の先まで舐めるように何往復もその視線を遠慮も無しに動かして、目の前の空いてる椅子に当たり前のように座り込んだ。
「電話だと19って聞いたんだけど。年齢より若く見えるね」
そりゃそうだろう、だってアタシはまだ14だもの。って飛び出しそうになったコトバを曖昧な笑いで誤魔化した。
「年齢確認出来るものある？」流れ作業のように言う目の前の男は「あ、俺カワキタ。ヨロシク」ってついでのように自分の名前をアタシに言った。
「で。寮に入りたいんだっけ？」
「はい。募集のところに寮完備ってあったと思うんですけど」
「うん、あるよ。今日から入る？」
「え？」
「住むとこ無いんでしょ？」
「・・・・・・」
ククッとカワキタと名乗った男はシャツの胸ポケットに入れてたタバコを取り出そうとしたけど、そこが禁煙だってカワキタに気付いて「ﾁｯ、最近はどこもかしこも」って独り言を言いながらそのまま又胸ポケットにタバコを押し込む。
見た目が幾つぐらい、とか。
その雰囲気がどんな感じ、とか。
この頃のアタシには解るワケ無かったのよ。当たり前じゃない。
ついこないだまで当たり前に中学に通ってて世間なんてのはアタシを金で買う男しか知らないのよ？
自分より年上なら「大人」。
これ以上の事なんて解るワケ無いでしょう？
「求人には詳しくは載せて無かったけど、ウチがどんなとこかってのは解ってるよね？」
「水商売、でしょう？」
そう言ったアタシに対して明らかな侮蔑の表情を出したｶﾜｷﾀだったけど、それはこれから先何度もこの顔を見て気付いた事。
さっきも言ったけどアクマでもアタシは14のガキだったのよ。
すぐにその侮蔑の表情から最初に見たニヤニヤした顔に戻して、カワキタはテーブルの向こうから顔を近付けるように口元を手で覆って小声で囁いた。
「チンコ咥えてイカせる仕事」
またククッと笑って立ち上がったカワキタは、呆然としてるアタシを見下ろしながら言ったわ。
「行こうか」
採用とも何も言われはしなかったけど、カワキタの態度から決まったんだって事だけは理解出来た。
まぁでも、アタシのこの先の内容は咥えてイカせるだけ、って事しか解らなかったけどね(笑)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆーほちゃん(プロフ) - 紗弥さん» いまうちの作品にくまさんの小説風うらない!ってのつくったんで、そっちで大丈夫ですか？ (2015年9月12日 20時) (携帯から) (
レス) id: 0b1637d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
紗弥(プロフ) - ゆーほちゃんさん» あわわ！ストレートに取って頂いて構いませんよ？伝わらないと言うことはアタシの方に国語力が無いと言うことなのでしょう…申し訳ありませんっ！泣！続きを話すのに此処では何なので 、と思うのですがボード使えないんですよね、どこで話す？（あ、タメ語笑） (2015年9月12日 20時) (レス) id: e4e4b35e02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーほちゃん(プロフ) - ごこちさん» 初めまして、敬語にしますね？ご忠意ありがとございます｡そおですよね、でもうちは初めましてのひととも仲良くしたいのといつものノリでタメってかんじなんですよねー汗 (2015年9月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 0b1637d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
あれ貴族(プロフ) - ゆーほちゃんさん» そもそもこちらは「イタズラ」なんて思っておりません。礼儀も何も知らない貴女に辟易してるからこそのこの騒ぎです。よくもまあこの私の元でこれだけの燃料を投下して下さったと今は関心していますよ？この収集、どう幕引きますか？ゆーほちゃんさん？ (2015年9月12日 20時) (レス) id: 705ae93446 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーほちゃん(プロフ) - あれ貴族さん» フィルターの件。ボードにはコメント？来るみたいだけど、うちは自分のボードも他人のボードも行けないから、ボードになにかかれても見ることも返事することもできないんだ (2015年9月12日 19時) (携帯から) (レス) id: 0b1637d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あれちゃん
| 作者ホームページ：@lovlylovealex ←Twitter account
作成日時：2015年8月27日 16時
