■にゃんこでごめんくちゃい■□大倉くんと愉快な仲間たち□

にゃんこ■10 ページ10

「大倉」

「・・・・・・」

「死んだん？」

「・・・大丈夫・・・まだ生きとうよ・・・？」


風邪、ひいてもた。

カラダの節々はおっそろしいぐらい痛いし。

喉は痛いし、アタマはガンガンやし、熱はもう計る気力すら無いぐらい出てるし。


「ごめんね、すばるくん。友達に連絡したから多分もうすぐ・・・来る・・・おも、う・・・」

「死んだん？」


すばるくんがそう言うたんを薄れゆく意識の淵で聞いたんが最後。

ごはん、はよあげな。

すばるくん、今日なんも食べてへん。



「せやねん、コイツな俺おらんかったらあかんねん」

「兄さん流石やな、相変わらずや！」

「何言うてんねん、変わらんなあ！ところで自分ら名前決まったんかいな？」

「当たり前やろ、半年以上やで？どんだけエアで呼ばれ続けるんやて話やろ」

「ツッコミ上手やなぁ(笑)」

「章ちゃん、どこ行ってもうたんやろ・・・」

「お前見た目そんなんやのに中身は子羊やな。生きて行けるんかいな」


・・・すばるくんと他の誰かの声が聞こえる。

マルに連絡した筈やのにマルの声ちゃうし。

ぼやける視界でうっすら目、開いたら。


すばるくん。

妙にぴっちりくっついてる真っ白いのとキジトラ。

妙に濃い顔して悪そうな雰囲気なのに泣きそうな顔してる茶トラ。

猫が。

増殖してる・・・。


「お、大倉目ぇ覚めたか？」

「・・・お友達？」

「覚えてないんかいな！むっちゃ薄情やな自分！」

「おい、誰か飼い主呼んで来いや」

「俺行ってくる。章ちゃん探してくる。あかん、泣きそうや」

「そこら辺おるわ！泣くな！」

「章ちゃあーーーーーん・・・」


茶トラがちょこちょこ台所の方に行ってニャーニャー鳴いとるけど。

・・・あれ？

この子らて、すばるくんと一緒にダンボールにおった子ら？


「目ぇ覚めたん？」


ヤスが茶トラを抱いてぽてっと布団の隣に座る。

抱いとる茶トラはニャーニャーずっと「章ちゃん、章ちゃん、どこ行っとったん？」て泣きそうになって言うてる。

見た目こんなんやのに、むっちゃ甘えたさんやな。


「マルー？大倉目ぇ覚めたー何か持って来たってー？」

「ヤスも来てくれたん？」

「マルが大倉が死んだてメールして来んねんもん」

「・・・まだ生きてるよ・・・？」

「どないしたんリョウ？どこも行ってへんよ？」

「だって章ちゃん見えんとこ行くねんもん、寂しいやんか。寂しいやんか？」

「ハラ減ったんかなぁ？」


「・・・寂しかったんちゃう？」

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