■にゃんこでごめんくちゃい■□大倉くんと愉快な仲間たち□

にゃんこ■1 ページ1

「大倉」

「何？すばるくん」

「平和やな」

「平和やねぇ」


ベランダの大きな窓を少しだけ開けて、ラグの上で二人で寝転ぶ。

天気のいいぽっかぽかの日曜日。

窓から入ってくる風も、あったこうてキモチええ。

すぐ隣におるすばるくんの方を顔だけ向けて見たら、でっかい目ぇを細うしておんなじようにキモチ良さそうにしとる。


「春やねぇ」

「春やな」

「桜もキレイ咲いたねぇ」


「あ、せや」


「あんな、すばるくん。明日会社の花見やねん」

「せやから帰って来んの遅なんで？」

「は・な・みぃ！？」

「花見て何やねん、あんなもん見て何がおもろいねん。そもそもお前花粉症やろ、花粉症の癖に何でわざわざぎょうさんの花とか見なあかんねん、アホか」

「・・・そこまで言わんでもええんちゃうん」

「そうやのうてもお前今むっちゃワケ解らんもん飛んでんねんで？黄色い砂の黄砂とか毒のPMなんちゃらとかやな。これ以上アホなったらどないすんねん、訳解らんもん吸い込んで」

「何でそんなん知ってんのん？」

「テレビや！！」

「何そのドヤ顔。よおそんな手ぇでリモコン押せるな」

「こうな、こう指先でやな、ソフトタッチでやな」

「別に真似せんでええで」

「何やねんな！せっかくやってんねんから見ぃな！」

「もー、せっかくのお日さんやで？ちょっと寝ような」


よいしょって隣のすばるくんを抱き上げて、ぎゅっと胸の上に抱く。

ちゅうっとキスをして、するするほっぺを撫でると途端にキモチ良さそうに目ぇ細めてむっちゃカワイイ顔してふにゃっとなる。

すばるくんのどこ触ったら喜ぶかとか。

どこがキモチええかとか。

ぜーんぶ知ってるから、順番にするするすりすり撫でてったらあっちゅー間にぐにゃんぐにゃんや(笑)


「キモチええ？すばるくん？」

「んー・・・♪むっちゃキモチええ♪」


春のニオイの風が、ふんわりカーテンを揺らす。

お日さんの光の粒が、すばるくんの周りをくるくる回ってむっちゃキレイ。

その光の粒がすばるくんのカラダにふわんと舞い降りて、もっとキレイにキラキラ輝く。

むっちゃ穏やかで。

むっちゃシアワセな。

すばるくんと二人っきりの春の休日。


「いい加減起きいや、大倉」

「・・・ねむたい」

「眠たいちゃうねん、アホか。オレのカリカリ朝でのうなったやろ」

「はよう買うて来いや！！ちくわも忘れんなよ！！」


春の日の休日は、すばるくんに叩き起されて幕を閉じる。

・・・お魚スペシャル買いに行こ。

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