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「とうちゃーく。ここが俺の家!」




連れてこられたのはあの公園から徒歩5分のところにあるボロアパート

この人が言うには、最近引っ越してきたばかりで引越しの荷解きを手伝って欲しいとの事。


高校生がこんなど平日の真昼間に公園にいるってことは、暇ってことでしょ!と

ぐうの音も出ない




「…お邪魔します」

「どーぞどーぞ。お茶入れるからそこ座ってて!」




玄関から真っ直ぐ伸びている廊下を進みリビングへ入る。




「は?」




そこにはダンボールなんてなかった。

なんなら荷物なんてほとんどない。

これが最近流行りのミニマリストってやつか、とつまらない事が頭によぎるがそんな事より





「どういうことですか、荷解きする荷物なんて一個もないですけど。」





コップに麦茶を入れたその人は、悲しいような複雑な顔をして俺の後ろに立っている。





「…あの、さ。怒らないで、俺の本当のお願い聞いてくれる…?」





まるで雨に濡れた子猫のような、哀愁漂う表情で俺の顔を覗き込んだ。

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作者名:ALEN | 作成日時:2023年6月4日 16時

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