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・kei side
「涼介、こっちおいで。」
俺の指示通りに弟は俺の傍へ寄ってきて首を傾げる。
「にーちゃ、なぁに？」
「…兄ちゃんさ、もうこんな生活嫌なんだよね。
ご飯もまともに食べられなくて、学校にだって行けない。
母さんは俺達のこと邪魔者みたいに扱うし。」
涼介は小さな頭をフル回転させて俺の言葉を理解しようとする。
だが、やはり無理だったようで俺にむぎゅっと抱きつき、俺ごとベッドに倒れ込んだ。
「あのね、涼介ね、お姉さんとまた遊びたい！」
「…お姉さん…？…八乙女Aさんのこと？」
うんっ、と元気よく返事をする涼介。
正直、俺は反対だ。
あの系統の大人は、事情も知らないくせに俺たちの家庭に首を突っ込んで、掻き乱していくことを俺は知っている。
同情なんていらないんだ。
「…兄ちゃんは嫌、かな…」
「…そっか…」
「あっ、ごめん。うそうそ、またお姉さんと遊ぼ？」
「やったぁ！」
涼介は本当に嬉しそうに微笑んだ。
俺の幸せは、涼介の幸せ。
涼介が誰よりも幸せな人生を送ることが、何よりもの願いだ。
だから、早くこの家から出なければいけない。
俺は意を決して涼介を置いて部屋を出た。
家から出る方法、それは
虐待を訴えること。
俺が人から見てわかるように虐待をされれば、必ず誰かが俺の親を訴えるはず。
俺はそれを願って“自ら”母親を怒らせ、そして殴られた。
薄い壁一枚越しに涼介の声が聞こえる。
お前が幸せなら…俺は、傷ついてもいいんだ。
「にーちゃ、っ…ママ、お願いします…にーちゃんを殴らないで！」
「あぁっ、もう…お前、ちゃんとしつけとけよあのガキ！近所迷惑なんだよ！」
「っ…すいません…、っぁ！」
頬を殴られ後に吹っ飛んだ。
口の中が痛い。血の味がする。
俺が血を吐き出すと母さんは殴る手を止め、軽く舌打ちをして「冷やしとけよ」と言って仕事に出た。
・
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ALEN(プロフ) - あいりんごさん» 一時的な非公開となります(汗)申し訳ありません！ (2018年11月20日 22時) (
レス) id: ce411aa3e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりんご(プロフ) - 第2弾のパスワードは一時的な非公開ですか？そうじゃない場合パスワードのヒント教えてもらえますか？ (2018年11月20日 20時) (レス) id: 59491e1cca (このIDを非表示/違反報告)
ALEN(プロフ) - ハイジさん» はい！第二弾でお話させていただくと思います！ (2018年7月14日 18時) (レス) id: ce411aa3e2 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ(プロフ) - とても面白いです。大ちゃんが大人と子どもの前だと態度が変わるのにも理由があるんですか？ (2018年7月14日 14時) (レス) id: 465c4b3a59 (このIDを非表示/違反報告)
杳葉謠 - すっごく面白いです！まさかちぃちゃんが人格として登場するとは…！今まで沢山話読んできましたが、こういう話は初めてで、読んでて楽しいです。これからも楽しみにしています！！ (2018年7月13日 23時) (レス) id: d79e1a4c43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALEN
| 作成日時：2018年1月21日 21時
