怖いよ。5~HSJ~

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・kt side





「…あっぶな……ていうか、アウトか…」





トイレに入り個室に座り込み息を吐く。







裕翔に見られた。






いやだ、いやだいやだ。




俺のせいで、みんなが叩かれる…酷いことされる…。







「っ……俺、どうしたらいいの…」






集合時間になっても個室に閉じこもっていた。









出たら、あの人たちと会って、それから…






考えただけで俺の体は震えが止まらなくなる。




落ち着こうとしても震えはおさまらなくて。








「圭人、圭人」






扉の向こうから誰かがノックする。






「……だ、れ…？」



「俺、裕翔。圭人ちょっとお話しよ？」








俺は「いやだ」と答えた。








話してもダメ。







俺の次に酷いことされる人なんて、いらないから。




俺だけでいい。



みんなはダメなの。






「圭人、俺は大丈夫。酷いことなんかされないよ？」







いつの間にか、俺の口からはさっきの言葉が溢れ出てしまっていたみたいで。





もう今更隠したって意味が無いか、と諦めた。









ｶﾞﾁｬﾝ､と個室の鍵を開ける。









「圭人…」









裕翔が俺を優しく抱きしめ泣き出した。







「…なんで…裕翔が泣いてるの？」





「ごめ…圭人、ごめんなさい…」







「裕翔、圭人見つかった？…って、え…裕翔…？！」








トイレの入口から知念が入ってきて俺のそばに駆け寄った。







「…圭人、ごめんね。気づいてあげられなくて。」




「……大丈夫、平気。俺、大丈夫だから」




「圭人」








知念が食い気味に俺の言葉に声を重ねる。








「…もう、我慢しなくていいよ。僕達、圭人の味方だからね？」









…なんで、そんな優しいこと言うんだよ…っ









頼っちゃう、じゃんか…









「…っ…ぅ…ごめんなさい…ごめんなさい…」







「圭人、楽屋行こ？少しゆっくり話そう。」








俺は裕翔と知念に個室から出されて楽屋に戻った。






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