蒼の銃３(兄者) ページ31
「さぁ、知らないわ。仮に思い当たる人が居たとしても貴方が捜している男と私の知る男が一緒とは限らないし。・・・その捜してる男と会ってどうするの？」
テーブルに肘を付いてそのまま手の甲に頬を乗せながら男に視線を送る私に、男はそうだな、と呟いた。
「最初は同盟でも組んでやろうかと思ったが、こんなシケた店に出入りしてるんじゃぁ大した奴じゃなさそうだな。この業界じゃぁ、噂が1人歩きして本人はてんで駄目なんて結構ある話だしよ。殺して知名度とこの一帯のシマを貰っちまうってのもアリかもな。ま、そいつにお目にかかれねぇんだから今夜はどうしようもねぇがな。・・・ところでネェちゃん名前は？」
「あら、一夜限りの出会いに名前を求めるなんて野暮な人ね」
「んな事言うなよ、俺は一目見てアンタが気に入ったんだ。なぁ、こんなシケた店よりもっと良い所に行かねぇか？ハイになれる上に気持ち良くなれるクスリもあるんだぜ？」
下品に笑いながらそう豪語する男に私は飲み干したグラスを静かにテーブルへと置くのと同時に、テーブルに置いていたスマホから通知を知らせる音がワンコール鳴った。画面を確認するまでもなく、私は男に向かってニヒルな笑みを浮かべた。
「そんな口説き文句で落ちる女なんてこの街には居ないし、そんなモノに頼ってる時点で貴方の程度が知れるわね。彼にとって脅威であるなら見過ごすわけには行かなかったけど、貴方くらいのレベルなら相手にもならないわ」
先程までの態度から一変した私の言葉に男は一瞬言葉を失うも、直ぐに眉間に皺を寄せて私を睨み付けた。
「あ？どう言う意味だ？」
「ふふ、世の中には知らない方が良い事もあるってことよ。・・・それじゃあ、私は失礼するわね」
そう言って私はスマホをバックにしまいながら席を立ち、バーテンダーに支払はいつも通りに、と告げた。
「オイ、待てよ、話はまだ終わっちゃいねぇだろ？」
「残念だけど、私は貴方と話す事なんて何もないわ」
私の腕を掴んで引き止めようとした男の手をスルリとかわし、そう微笑んで私はドアへと歩き出した。男もそれ以上追う事はせず、舌打ちと共に何か呟いた気もするが私は構わず歩みを進めた。そして外へと通じるドアに手を掛ける前に、私は立ち止まって男の方へと振り返った。
「あぁ、最後に1つだけ。痛い目に遭いたくなかったら今夜はジャズとお酒だけを楽しむ事ね」
【NEXT】
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アルバ(プロフ) - 雪さん» 初めまして今晩は。作品を読んでくださり有り難うございます！(*´ω｀*)亀更新で申し訳ありませんが、またちょこちょこ覗きに着てくだされば幸いですm(_ _)m (2023年4月21日 0時) (
レス) id: 72af701c94 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 何ヶ月何年経っても貴方様の書いてくださる作品に心癒されています！本当にありがとうございます！ (2023年4月15日 1時) (レス) id: 3b9fd3f12e (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - 神威琉璃さん» 初めまして、今晩は。他の作品も読んで頂き有り難うございます(*´∀｀)そう言って頂けて、とても嬉しいです！(*´ω｀*)マフィアものも少しずつですが執筆しておりますので、ちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです(*´-`) (2020年2月25日 23時) (レス) id: 0f4ad8ad92 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - はじめまして！アルバさんの小説はすべて読ませていただいて大ファンです！特にこのマフィアパロが相当大好きです！御三方のかっこよさ、ヒロイン達の可愛さ等など上げだしたらキリがありません！これからも応援しております！ (2020年2月25日 17時) (レス) id: ef9053a518 (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - スノーさん» 初めまして、今晩は(*´ω`*)自由過ぎるくらいキャラを好き勝手書いていますが、そう言って頂けてとても嬉しいです！有難うございます！これからはもう少し更新スピードを上げられるよう頑張りたいと思いますので、遊びに来て頂ければ幸いですっ（´-`) (2020年2月23日 0時) (レス) id: d87d40427d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年11月10日 0時
