ゲームセット04(弟者・兄者・おつ) ページ24
「あぁ、俺もおついちの女も拉致られて一緒の部屋にな」
「・・・用心深い貴方が拉致されるなんて、らしくないわね?」
警戒心も高く、それなりの実力もある兄者がこうも簡単に拉致られるだなんて、一体どれほどの手練れだったのだろうか。らしくない兄者の失態に疑問を投げ掛ける私に、何故か兄者は視線を泳がせ始めた。
「いや、それはその、あれだ、立派なたわわ・・・ん“んっ、俺もAと似たような感じで背後から不意打ちを食らっちまってよ・・・。いやー、珍しく油断しちまったもんだー、ハハハハハ」
拉致された事実にプライドが傷付いたのか、それともよっぽど聞かれたくない諸事情があるのか、どこと無く歯切れの悪い言葉を残して兄者は乾いた笑いをしながら顔を背けた。
・・・一瞬たわわと聞こえたような気がしたのは気のせいだろうか。
「・・・まぁ、弟者君とゆっくりお話も出来たし。良い機会だったわ」
「あ?アイツと何話したんだ?」
「ふふ、秘密」
そう微笑んで返す私に、兄者は少し不機嫌そうに何だよ?と眉間に皺を寄せた。
嫉妬深いのは知っていたがまさか弟にも向けるとは・・・。
そんな兄者の反応に思わず吹き出しそうになるのを堪え、私は兄者の頬に手を伸ばした。
「そんな大層な話はしてないわよ。兎に角、貴方が無事で良かったわ」
「・・・俺を倒せる奴なんあざぁそうそう居ねぇよ」
「それもそうね」
そう言って頬に触れていた私の手を取り、兄者は私の頬に軽くキスを落とした。
「取り敢えずおついちの女がパソコン持ってっから、おついちにアイツの居場所特定させてちょっくらシメてくるわ。Aは先に戻ってろ」
「あら、思い当たる人が居るの?」
「まぁな。つってもさっきまで思い出せなかったんだけどよ。おついちや弟者に比べて俺はアイツとの関わりが少ねぇからな。ま、それなりの落とし前はつけさせるさ」
そう言いながら兄者はポケットから煙草を取り出し、シルバーのジッポーで口に咥えた煙草に火を点けた。
【NEXT】
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アルバ(プロフ) - 雪さん» 初めまして今晩は。作品を読んでくださり有り難うございます!(*´ω`*)亀更新で申し訳ありませんが、またちょこちょこ覗きに着てくだされば幸いですm(_ _)m (2023年4月21日 0時) (レス) id: 72af701c94 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 何ヶ月何年経っても貴方様の書いてくださる作品に心癒されています!本当にありがとうございます! (2023年4月15日 1時) (レス) id: 3b9fd3f12e (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - 神威琉璃さん» 初めまして、今晩は。他の作品も読んで頂き有り難うございます(*´∀`)そう言って頂けて、とても嬉しいです!(*´ω`*)マフィアものも少しずつですが執筆しておりますので、ちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです(*´-`) (2020年2月25日 23時) (レス) id: 0f4ad8ad92 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - はじめまして!アルバさんの小説はすべて読ませていただいて大ファンです!特にこのマフィアパロが相当大好きです!御三方のかっこよさ、ヒロイン達の可愛さ等など上げだしたらキリがありません!これからも応援しております! (2020年2月25日 17時) (レス) id: ef9053a518 (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - スノーさん» 初めまして、今晩は(*´ω`*)自由過ぎるくらいキャラを好き勝手書いていますが、そう言って頂けてとても嬉しいです!有難うございます!これからはもう少し更新スピードを上げられるよう頑張りたいと思いますので、遊びに来て頂ければ幸いですっ(´-`) (2020年2月23日 0時) (レス) id: d87d40427d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルバ | 作成日時:2018年11月10日 0時