紅を掻き遊さむ(弟者) ページ1
ーーー冷静沈着な彼女と共にーーー
「ふぁー・・・おんっ！？背中痛っ！」
眠りから覚めた途端、背中全体に鋭い痛みが走り、思わず唸りなが俺は身を捩った。
痛む身体を庇いながら起き上がると、目の前は薄暗く室内らしき光景が広がっている。
窓は無く、天井に付いている裸電球が室内を照らしているが、明かりが小さ過ぎて全てを照らし切れていない。
「・・・どこだ此処」
見覚えのない場所に警戒しつつ、背中を撫でながら立ち上がって辺りを見回し、寝惚けた頭で状況を整理しようと記憶を遡る。確か彼女と個室のレストランへ食事に行って、出されたスープを飲んだら猛烈に眠くなって・・・そこからの記憶がないとなると、どうやらスープに一服盛られたようだ。
組織が経営するレストランだから大丈夫だと思い、警戒を怠ったのは迂闊だったと心の中で舌打ちしつつ、徐々に暗闇に慣れ始めた眼を凝らして一緒に居た筈の彼女の姿を探す。
狭い室内はコンクリートの壁と床で出来ているようで、背中が痛いのはこの上で長時間寝ていたせいだろう。ふと、部屋の隅にベッドらしき物を見付け、その上に誰かが寝かされている事に気が付いた。彼女かと思って急いで近寄って確認するが、残念ながら彼女ではなく、長袖のブラウスにスカートを着た別の女性が寝かされていた。動かない様子を見ると、眠っているのか、死んでいるのか・・・。前者でありますようにと願いながら暗闇の中、目を凝らして顔にかかった髪をそっと退けると、見覚えのある顔が静かに瞳を閉じていた。
「Aさん・・・！」
俺は慌てて兄者の恋人である彼女の肩を揺さぶると、揺さぶった衝撃から小さく唸る声が聞こえ、取り敢えずホッとする。程なくしてゆっくりと開かれた彼女の瞳が俺を捉えた。
「・・・う、弟者、君？」
「大丈夫ですか？」
額を押さえ、起き上がろうとする彼女の手を取り、ベッドから起き上がるのを手伝う。
有難う、と礼を述べながら脚を下ろしてベッドに腰掛け、彼女は辺りを見回した。
「此処は一体・・・」
「分からないです、俺も気が付いたら此処に居て・・・」
彼女の横に腰掛け、取り敢えず状況整理も兼ねてお互いに覚えている限りの事を話した。
【NEXT】
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アルバ(プロフ) - 雪さん» 初めまして今晩は。作品を読んでくださり有り難うございます！(*´ω｀*)亀更新で申し訳ありませんが、またちょこちょこ覗きに着てくだされば幸いですm(_ _)m (2023年4月21日 0時) (
レス) id: 72af701c94 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 何ヶ月何年経っても貴方様の書いてくださる作品に心癒されています！本当にありがとうございます！ (2023年4月15日 1時) (レス) id: 3b9fd3f12e (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - 神威琉璃さん» 初めまして、今晩は。他の作品も読んで頂き有り難うございます(*´∀｀)そう言って頂けて、とても嬉しいです！(*´ω｀*)マフィアものも少しずつですが執筆しておりますので、ちょこちょこ遊びに来て頂ければ幸いです(*´-`) (2020年2月25日 23時) (レス) id: 0f4ad8ad92 (このIDを非表示/違反報告)
神威琉璃(プロフ) - はじめまして！アルバさんの小説はすべて読ませていただいて大ファンです！特にこのマフィアパロが相当大好きです！御三方のかっこよさ、ヒロイン達の可愛さ等など上げだしたらキリがありません！これからも応援しております！ (2020年2月25日 17時) (レス) id: ef9053a518 (このIDを非表示/違反報告)
アルバ(プロフ) - スノーさん» 初めまして、今晩は(*´ω`*)自由過ぎるくらいキャラを好き勝手書いていますが、そう言って頂けてとても嬉しいです！有難うございます！これからはもう少し更新スピードを上げられるよう頑張りたいと思いますので、遊びに来て頂ければ幸いですっ（´-`) (2020年2月23日 0時) (レス) id: d87d40427d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年11月10日 0時
