密なる純愛4(弟者)※ ページ40
快楽に溺れて力が抜けた彼女が荒い息をし、動揺と困惑が入り混じった瞳で俺を見つめていた。
紅潮した頬に潤んだ瞳
酸素を求めて少し開かれた唇
そんな表情は男の俺を煽るだけなのに
そこからは、もう歯止めが効かなかった。今まで抑えていた欲望が溢れかえり、脱ぎかけの服はそのままに露わになった彼女の柔肌にキスの雨を降らし、貪る様に彼女の熱を求めた。彼女の熱を感じる度彼女の甘い声が耳を擽り、欲望が満たされていく。
服で隠れていて気が付かなかったが、彼女の綺麗な肌にはいくつもの赤い痕が咲いていて、独占欲の強い兄者の顔がチラつく。その痕に強い嫉妬を覚え、彼女が俺の熱を感じている時に身体にキスするフリをして彼女自身からは見えない位置に1つだけ痕を咲かせてやった。兄者の痕に紛れて俺の痕を彼女の身体に刻む行為に、罪悪感と何とも言えない優越感が俺の心を満たしていく。
「お、弟者ぁっ・・・!もぅ、やめっ・・・!」
快楽からもはや抵抗する力もなく、彼女は甘い声と共に悪足掻きとも言える抵抗の言葉を発する。
「好きだA。愛してるんだ」
彼女の言葉を無視して俺はその唇に口付けをし、気が済むまで彼女の熱を感じた。
乱れた服のまま、疲労から動けない彼女の傍に座って俺は謝罪の言葉を口にした。
「無理矢理してごめん・・・。こんなつもりは無かったんだ・・・」
他にどう声を掛けて良いのか分からず、俺は黙って彼女の返答を待った。てっきり罵られるか責められると思ったのに、彼女は瞳を両手で覆うと泣きそうな声でぽつりぽつりと呟く様に言葉を紡いだ。
「・・・ごめんなさい、弟者君の気持ちには応えられない。・・・こんな事されたのに、嫌いにもなれないの。いつも私に優しく接してくれる貴方を知っているから。ごめんなさい、ずっと気が付かなくてごめんなさい・・・」
罵倒されるよりもキツイ彼女の言葉に、俺は天を仰いだ。
「クソっ、何で兄者なんだよっ・・・!」
いっそ俺を嫌いになってくれれば
どんなに楽だろうか
君の優しさが俺を苦しめる
【END】
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時