呼応(おついち) ページ14
〈渇望の続き〉
ーーー貴方が望むのならどこまでもーーー
人によって愛の形は様々だ。人の数だけ愛の形があり、どれ一つとして同じものはない。中には他人からは決して理解できない、受け入れられない愛の形があるだろう。それでもそこに愛がある限り、事実であり真実であると思う。
「Aちゃん、最近おついちさんに変わった事とかない?」
温かい紅茶が入ったティーカップを私に差し出しながら弟者が少し困惑した様な表情で尋ねた。彼の仕事仲間である弟者のPCが不調と言うので彼と弟者の家へ訪れていた。特段、私自身機械に詳しいと言うわけではなくただ彼に着いて来ただけなので、彼が弟者の自室で修理している間は居間で待たせて貰っていた。
「変わった事、ですか?」
ティーカップを受け取り私は首を傾げながら応えた。そう、変わった事と言いながら弟者は私の正面のソファに腰掛けた。
「特に気になる事は・・・。何かあったんですか?」
「何も無いんだけどさ。何と言うか、気分にムラっ気があると言うか・・・。気のせいかも知れないんだけど最近のおついちさんがいつものおついちさんじゃない気がするんだよね」
そう話す弟者の元に台所から珈琲が入ったマグカップを片手に持った兄者がやって来て、弟者の横に腰掛けながら窘めた。
「だからお前の気のせいだって言ってるじゃねぇか。いつも通りのおっつんだよ。機嫌が悪かった時はどうせお前が何かやらかしたんだろ。悪ぃな、A。余計な心配掛けさせちまって」
「いえ、私の方でも何か分かりましたらお伝えしますね」
そう二人に笑顔で応え、私は温かい紅茶を口にした。そして2人は私にこれ以上の心配をかけさせない為か直ぐにゲームの話しをし始めた。長い付き合いだからこそ、彼のちょっとした変化に気が付いたのだろう。そんな仲間思いの2人に、私は上手く笑えただろうか・・・。
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時