理想論(おついち) ページ6
ーーー貴方に届くまで、あと5�僉次次�
”カップルの理想の身長差は15センチなんだって“と、誰かが楽しそうに話していたが女性の中では比較的身長の高い私にとっては無縁の話しだなと、心の中で笑ってしまった。
「Aちゃん、ちょっと本屋に寄っても良い？」
隣りを歩いていた彼が少し先の本屋を指差す。
「良いですよ、私も欲しい本があるので」
そう笑顔で応えて私に直ぐ済むからねと彼は微笑んだ。幼馴染の弟者の家を出入りしていたある日、弟者の仕事仲間だと紹介して貰ったのがキッカケでそれからずっと彼に秘めた想いを募らせている。歳上と言う事もあり、私に対する接し方は妹の様な扱いだがこうしてお互い予定が合えば一緒に出掛けてくれるのは正直嬉しい。
「待たせるのも悪いから先にAちゃんが欲しい本の所に行ってて良いよ」
「じゃあ小説のコーナーに居ますね」
そう言って私は彼と別れ、目的の売り場へと足を進める。目当ての本を見つけて手に取ろうと本に手を置いたのと同時にふと恋愛系のエッセイ本が目に入った。普段なら素通りするジャンルの本だが何となく手に取り、パラパラとページをめくる。好きな人に告白する所から恋人としての過ごし方まで事細かに書かれている。その中に”理想の身長差は15センチ“と言う項目を目にし、ふと昔誰かが似た様な事を言っていたのを思い出した。
誰かが楽しそうに話していた理想論
好きな人との理想が叶わない私からしてみれば
少し妬ましく、羨ましく思う
「小説や漫画の様には上手くいかないって」
そう呟いて私は元の位置に本を戻した。身長差以前にそもそもカップルにもなれていないのだからそれ以前の問題である。
【NEXT】
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アルバ - コメント有難うございます！殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです！また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (
レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年6月19日 12時
