言葉遊び2(おついち) ページ19
「普通のつもりならそのチェシャ猫みたいな笑い方止めろや。Aまで巻き込んでわざとやりやがって・・・。見ろ、お前のせいでこう言うのに耐性の無い弟者の現状を」
そう言って次に指差したのは兄者の隣で同じく珈琲を飲んで居た弟者だった。先程まで普通に居たのに、何故か今は両手で顔を覆い耳まで真っ赤にして震えて居た。
「お、俺の事は気にしないでクダサイ」
「やっだー、弟者君ったらピュアなんだからっ。大体二人して何想像したのさーヤラシー」
「テメェが原因だろ。そもそも部屋でやりゃ良いのに、何で此処でやるんだよ」
「何でって可愛いAを見せつける為に居るんだよ、当たり前じゃん」
そう言って彼は訳がわからず黙って成り行きを見ていた私の頬に軽いキスをした。
「お、おついちさんっ?!何するんですか!」
「んー?ちゅーしただけ」
羞恥から慌てふためく私と、惚気っぱなしの彼の言動を目の当たりにした兄者が呆れ顔で溜息を一つ吐いた。そして相変わらず赤面している弟者の首根っこ掴んで連れ立ち静かに食卓のドアを開けた。
「・・・悪いなA。俺らはちょーっと出掛ける用事を思い出したから、まぁ、楽しんでくれや。行くぞ弟者」
「ま、待って兄者っ!この体勢は首が締ま・・・オエッ」
そう言って二人はドアの外へと足早に消えて行った。
「な、何か失礼な事でもしちゃいましたか私・・・」
二人の行動から心配になる私を他所に彼は機嫌良く私の頭を撫で始めた。
「Aは何も悪くないよー、寧ろそのままで居て欲しいくらい。さてとー、邪魔者も居なくなったし部屋にでも行こうか」
「え、まだゲームは途中ですよ?」
「ゲームより優先する事があるの。いくら鈍感なAでもこれで分からない?」
そう言って彼は頭を撫でる手を止めて不意打ちに私の耳元にキスをし、そのまま軽く首筋を甘噛みをした。予期せぬ彼の行動に思わず私の口から声が漏れる。
「続きは部屋でね」
そう悪戯っぽく笑いながら彼は誘う様に私の唇にキスをした。
【END】
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時