どうやら運命の人のようです(Blue)1 ページ43
「…………」
「…………」
どうしてこうなったんだろう。
ひくりと釣り上がる口角。笑顔をキープしつつ私も兄者さんも笑顔が引き攣り上がってる。
えーなになにーと楽しそうな友人に殺意が湧く。
騙されて連れてこられた飲み会は、実は合コンでした。
そしてそれに、よもや自分の彼氏がいるなんて誰が思いますでしょーか？
「ちょっとこれ、どういうことよ」
「あはは〜……1人かけちゃって…足りなくなったから」
「断ったわよね、私」
ギロリと友達を睨めばご、ごめぇん、と心にもなさそうな謝罪が飛んできた。
それよりも、だ。ジロリと兄者さんを見る。隣にいる友人と何やら話しているようだけれども、だ。なぜこの人がここにいるんだろうか。
「じゃあ全員揃ったところで始めたいと思いまーす！」
幹事らしい男の子が乾杯の音頭を取る。
はぁ、もう帰れないよなぁこれ。ため息を一つ。
流れるように自己紹介が始まり、男の子側は高学歴とか経営者とかが揃ってた。女の子側は顔面偏差値高めの美女揃い。何故私が呼ばれたのか。あぁ、引き立て役か。とやさぐれる。
「兄者です、会社を経営しています」
きゃぁ！なんて女の子の悲鳴。イケメンですよね、えぇあなたたちの好きなイケメンですよね！三高持ちですよね！でもその人私の彼氏なんですよ！そういう目で見るのやめてください！
なんでの心の中で喚くが顔は営業スマイルを崩さないよう心がける。
「Aです。事務員をやってます」
ニッコリとスマイルを崩さず。
自己紹介が終わればフリートークのような感じに。
女の子たちはここぞとばかりに自分をアピール。サラダ取り分けたりお酒注文を率先してやったり。
すごい逞しいなぁ、とある意味感心する。
私は黙ってごくごくとお酒を飲む。
「飲み過ぎんなよ」
「関係ないです」
兄者さんから叱責が飛んでくるけど気にしない。
ぐぅ、と黙った兄者さんをチラリと見てご飯に箸をつける。
「Aさんは、事務員ってお伺いしましたけどどんな会社にお勤めなんですか？」
「え」
まさか話を振られるとは思っていなくて目を丸くする。
友達に肘でぐいぐい押され早く答えなよ！と言われた。
「えっと……個人経営の会社さんで……」
「そうなんですね。彼女からとても優秀な人と伺っていたんで、Aさんのこときになってたんですよね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
