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こんなに冷えてるし、と私の頬を大きな手で包んでくれる。
「仕事の邪魔したくないから」
暖かな手の温度が心地よくて目を閉じる。
事もなさげに言ったけれど兄者さんはちょっとイラッとしたような空気ではぁ、とため息をついた。
「あのな、お前ほっといて仕事してた俺が言うのもなんだけど、Aが一番大事なわけ。何かあったら遅いの。こんな時間に1人ででかけんな、声かけろ。次は」
何かあったら俺の心臓が止まる。
と頬をムニムニと摘みながら言われた。
「ごめんね」
「いい、俺もほっといて仕事して悪かった」
こつん、と額が合わせられる。
兄者さんと息がかかるほどの近い距離、改めて幸せだと思う。
「A？」
「あ、ううん。ちょっと幸せだなって思って」
そう言えば兄者さんは破顔した。
さっきのさみしはとうになくなって、こうやって話せてしまうととてもとても強い幸福感に包まれる。私は単純らしい。
「……お前な」
「あはは、ごめんね。変なこと言いました」
呆れ顔をする兄者さんはため息を一つこぼす。
「ったく、お前はすーぐそうやって煽る」
「なにが？？」
「いい、独り言だ」
私が首を傾げれば兄者さんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「とりあえずもう一眠りするか」
「編集は？」
「起きたらやる。今はそれよりAといるのが大事だからな」
おでこにキスをされたかと思うと、膝の裏に腕を回されそのまま抱き上げられた。
「きゃっ」
「あばれんなよ」
すぐそこの距離なのに、お姫様抱っこをされて慌てて首に腕を回す。
クッと兄者さんが笑う気配がして「もう！」と悪態をつく前にゆっくりと優しくベッドの上に降ろされた。
私の隣に兄者さんも潜り込んできて、そっと布団をかけてくれた。
「起きて編集終わったら飯行こう」
「うん、私も手伝うよ」
「ありがとな」
私の髪を優しく撫でてくれる手はすごく優しくてあったかい。
私も欠伸をかみ殺せば兄者さんもあくびを少しこぼした。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
