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高圧的で威圧的な口調。その声がした方を仰ぎ見れば扇を口元に当て、白い仮面をつけた女。豪奢なドレスを身に纏ってはいるが、見覚えのあるその女の姿に、体が震えた。
(A…！？)
まごうことなき自分の恋人だ。
戸惑うオークショニアはそれ以上は、と会場に聞くがそれ以上の額を申し出る人間はおらず、カンッと決定の木槌の音が響いた。
女は男のエスコートを受けステージへと登ってくる。こう見るとどこぞの貴族の女に見える俺の恋人は、オークショニアから俺の鍵を受け取り、俺へと足を向けた。
「いい姿ね」
「……」
檻に入ってる俺を見てクスリと笑う。
エスコートしている男はよく見るとメロさんじゃねーか……。
奥様、とお付きの人間ことメロさんにAは鍵を渡すとメロさんは俺の檻の鍵を開ける。出ろよ、と声をかけられ手枷の鍵も外された。
ステージの上でAと対面する。いつも以上に綺麗に着飾られた由乃はにっこりと笑うと、扇をパシリと音を立て閉じると、俺の首をグッと引き寄せた。
「私のドレスのスリット、そこにハンドガンがあるわ」
「……危険な橋渡りやがって」
艶やかな赤い唇。いつもはつけない真っ赤な色に目が奪われる。
その唇を塞ぎ、後頭部に回る腕の感触を感じながらそっと深いスリットの入ったドレスの中へ手を差し込む。
会場がざわついた。
するりと足を撫でホルスターに入ったハンドガンを引き抜く。それと同時にオークショニアの頭を撃ち抜いた。
倒れるオークショニア。騒然とする会場。
愛する恋人を抱え、出てきた警備を次々と打ち抜く。
メロさんもいつのまにか銃を構えていた。Aも隠し持っていたハンドガンで俺の背後にいた敵を撃ち抜く。
「無茶すんなお前も」
「あら、愛するお姫様を助けに来た王子様にそんなこと言うなんてひどいわ」
「俺が姫かよ」
ぶはっと笑うメロさんを思わず誤射しそうになる。
由乃はドレスだっていうのに敵に強烈な回し蹴りをお見舞いした。
「さ、私と逃げましょお姫様」
「はっ。俺を拐ってくれよ王子様」
いつの間にやらショットガンを持っていたAの差し出された手を取る。
もちろん、どこまでもお供しますよ。なんて俺の指先に口付けながらいうもんだから、目眩がした。
今日もうちの彼女がイケメンです。なんて。
背後で手榴弾が爆発する音が響く。
上を見れば弟者とおついちがいて後は任せろ！と2人の声がした。
それじゃあ俺を華麗に助けてくれた王子様と愛の逃避行と行きましょうか。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
