手形と歯形(Blue)1 ページ24
ちょっと大人な表現あります。
ご注意ください。
「あれ、Aちゃん袖きっちりした服着てるの珍しいね」
「え！そ、そう、かな！？」
パソコンと真剣に向き合ってると、休憩中の弟者くんに言われて慌てて手を隠した。
いつもは着崩し袖が邪魔だからとがっつり袖捲りをしてる私。今日はでもネルシャツのボタンもしっかり閉めて手首までかっちりさせてる。
なぜかって……
「弟者、これ頼めるか？」
「え？あぁ、これ？いいよー」
この人のせいである。
兄者さんに頼まれた書類を持って弟者くんが自分のデスクに戻っていくのを見届けてから私はジロリと兄者さんを睨んだ。
「ほんと、珍しいなAちゃん」
「誰のせいよバカ」
わざとらしくニヤニヤと笑う兄者さんを睨みつけそう悪態をつけばさぁ？しらね、としらばっくれる。
ムカツく……。本当は捲りたいし、こんなきっちり閉めた上に長袖の服なんて着たくない。なのに私はこの人のせいでこうせざるえないのだ。
「嫌じゃねぇくせに」
なんて言う余計な一言に眉を寄せてさらき睨みつければ、耳元に顔を寄せてそんなことを言ってくる。
っ゛あ゛〜…ほんと、ほんとむかつくぅ……。
居た堪れなさすぎて手首をさすれば、勝ち誇った顔の兄者さん。
この服の下、手首にはくっきりと兄者さんの手形がついてる。昨日の夜の情事の痕。逃がさないとばかりにシーツの上に両手を縫い留められたときについた青あざあ。朝起きてびっくりだった。めちゃくちゃ青くなってて、兄者さんに顔を真っ赤にして怒ったわけで。でも本人なんか嬉しそうにしてるだけだし。悪びれゼロ。
確かに本人の言う通り、嫌では、ないのが癪です。
「はぁあああああ」
ニヤつく兄者さんからにげるように事務室を出てめちゃくちゃでかいため息を一つ。
仕事中、切り替えなきゃ、とも思いつつこれを見たらいやでも思い出すし、兄者さんがいちいち思い出させるので本当今日集中できてない。
顔でも洗ってスッキリしよう。
切り替え切り替え、と頭の中で念じつつ洗面所へ足を向ける。
ここでは流石に袖を捲る。
まだくっきりだなぁ、しばらくのこるよね、これ……。
おおきいなぁ、手……すっぽり入ってる感がすごい……しこれどんな力入れたら付くの？結構強く掴まれてたってことよね……。痕つきやすい体質、とか？
あぁ、だめだめ、考えない考えない。私は知らない、こんな痕しらない。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
