まちぼうけ(Blue)1 ページ18
喧嘩をした。すごく些細なことで。
滅多に喧嘩をしなかった私たちはどう仲直りしていいのか分からず、かれこれ一週間経過してる。
そしてあれから一度も口をきいていない。
仲直りしたい、とは思うもののきっかけもなかったし、兄者さんにとっても避けられていた。
もう終わりかなぁ、なんて弱気にかる。
もともと釣り合わない私たちだ、そうなっても何もおかしくない。
はぁああ、とため息をひとつ。
今日はお休み。本当なら兄者さんと最近できた某メーカーのゲームセンターへ行って遊び倒す予定だった。
でもこんなことになってその予定も流れた。念のため待ち合わせの時間に待ち合わせ場所へ行ったりしてみたけど、待てど暮らせど彼は来なかった。
ですよね。と自問自答。
きてくれたらいいのにな、なんて思って未練がましくあと10分、あと30分、1時間、と時間だけが過ぎていった。他人から見ればずっとここで待ってる私はさぞ滑稽だろう。
「さみしいな、なんて」
ぽつりと呟いた言葉は喧騒にかき消された。
このまま終わるのなんていやだなぁ。仕事も辞めなきゃかなぁ。なんて。
鼻の奥がツンとする。
泣くなんてみっともないことしたくなかった。
はぁああ、とため息を溢す。こんなに好きなのに、素直になれなかったから、こんなことになっちゃって自己嫌悪で嫌になる。
休みが明けたら話そう。
それでもし終わってしまったとしても、後悔がないようにしたい。
よし、そうしよう。今日はもう帰って、月曜日が本番だ。
待ち合わせ時間から2時間がすぎ、私は騒がしい駅前を後にしようとしたその時、後ろから突然腕を掴まれた。
「A……！！」
「あに、じゃさん…？」
よかった、いた……と激しく息切れし汗だくで、いつもオールバックにしている髪は乱れて落ちていて、まさに全力で走ってきました感満載の兄者さんがそこにいた。
どうして……と思わず出た言葉に兄者さんは息を整えながら「約束してた、から」と罰が悪そうに言った。
「遅くなった……わるい」
「……」
信じられないものを見るように兄者さんを見てたと思う。
それを察したのか、苦笑いをする兄者さんはごめんな、と一言呟いてその一言で私はハッと我に返った。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
