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「よっしゃあ！俺の勝ち！！」
案の定、ゲームのことなんて頭に入らなくて、ボロ負け。ほかのメンバーに迷惑をかけてしまった気がする。
発電機治すのは失敗しまくり、怪我の治療も失敗しまくり、逃げるのもうまくいかない、吊るされてすぐに死亡という失態……。
対して弟者くんは余裕綽々、全員吊るしてゲームを修了させた。元々強いけど、いつもはこんなにボロ負けなんてしない。
ゲーム開始前に聞いたあの言葉で集中力も全部持ってかれてしまった結果。いや、自分の訓練が足らない気もするけど！そんなこと言われたくらいで…気がそぞろになるなんて。
でも、でも、好きな男の人にそんなこと言われて動揺しない女がいるだろうか。
「Aちゃん」
「……弟者くん、ずるい」
「うん」
きっと私の顔は真っ赤だと思う。
弟者くんはコントローラーを握った私の手の上に一回り以上大きな手を重ねて、もう一度「Aちゃん」と私の名前を呼んでくれた。
この声が好きだと何度も思った。お茶目な声も、ゲスい声も、真剣な声も、コロコロ切り替わるその声が好きだった。
表情も、声も百面相。なんて思う彼。ずっと見てたい彼の顔。でも今日は見れなかった。
「ごめん、こうでもしないとさ、言えなくて」
「……」
私の手に触れた弟者くんの手が僅かに震えてる。
きゅっと私の手を握る手に力を込めて、Aちゃん、と優しい声で呼んでくれた。
「こっち見て」
優しい声で、でも強い声で私の頬に手を添えて弟者くんの方を見るように導かれる。
恐る恐る目を合わせると、いつも以上に真剣な眼差しで私を見ている弟者くんと目があった。
どくりと心臓が鳴り、手の震えが強まる。
「ずっと、ずっとね、俺Aちゃんのこと好きで」
声は少し震えていた。
「Aちゃんより年下だし、ガキだし、兄者みたいな落ち着きもない」
淡々と弟者くんは気持ちを吐き出して。
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MITU(プロフ) - 沙月様>ありがとうございます。細々と更新していきますので、また読んでやってください。 (2020年11月19日 8時) (
レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
沙月 - 次のお話楽しみにして待ってます！更新頑張ってください！ (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8efc098497 (このIDを非表示/違反報告)
MITU(プロフ) - ミズキ様>温かいお言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、読んでいただけてとても嬉しいです。マイペースですがこれからも更新していきますので、よろしくお願いします。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: dcfa6d8c89 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - どのお話も読了時は幸せな気持ちでいっぱいです。これからも読ませて頂けるのを楽しみにしています。 (2020年11月18日 20時) (レス) id: 41cdeb4c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MITU | 作成日時：2020年11月15日 16時
