創造主の末裔 with キノの過去 (ページ45)

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第45話ページ45

キノは震える声で続けた。

『私はローズ以外の人達を誰も信じれないから！父親なんてもっとよ！！私が居なくなればーーお父様がどう出るかわからない！！ローズを守るって！自分に誓ったの！！だからーー』

「嬉しい。ありがとう、キノ。やっぱり……キノのお陰なのね……」

ローズの目に涙が滲んだ。

「ルイに言ってくれたんでしょう？愛してあげて、大事にしてあげてって……だから、ルイはあたしに優しいのね」

『……ローズ……ご、ごめんなさい……余計なこと言って……』

ローズはううんと首を振った。

「知ってたの。ルイは誰も愛さない人だってことくらい……側で見てればわかるわ。皆を対等に接してるもの。贔屓なんかしない……お気に入りを作ったりもしない。最初は……物凄く憎んだし近寄ってほしくもなかった……でも、彼を見ているうちに、皆を対等に接しているのを見て、優しい人なんだ……て思えてきて……」

『ロ、ローズ、あなたまさか……』

キノの中で複雑な気持ちが広がった。

『おーーお父様を……愛して……しまったの……？』

その問いかけに、ローズが小さくコクンと頷いたのを見て、思わずローズの肩を強く掴んだ。

『ダメよ！ローズ、お父様は優しくなんかないわ！！だってあの人はーー』

「優しくないことくらい知ってるわ！見せかけのーー微笑みもそうよ！あの人はあたし達に微笑んでくれるけど、それはただの振る舞いだけってことくらいわかってる！！あ……あの人がーーあの人がーー誰にも興味がないことくらい……知ってるから……！！」

ローズは声を震わせ、肩も震えていた。

「そんなあの人が、あたしだけが特別だって言ってくれたの！他の皆は一目惚れ魔法を使ったけど、あたしだけはありのまま自分を想ってくれると嬉しいって！！」

『！』

ーーやられた！

ルイの企みに気づいてしまった。

ーー優しいわけない！お父様がそんな考えしないことくらい嫌でもわかる。お父様は……お父様はーー私達を引き離そうとしてる！！

『ローズ、正直に言って！お父様に何か吹き込まれたの！？私をここから出て行かせるように言ってきたのは、お父様でしょ！？』

「違うったら！ルイは何も言ってないわ！！本当よ、信じて！！！」

ローズの目は真剣だった。

曇りなき眼を見れば、嘘じゃないのはわかった。

「あたしがルイに言ったの！キノを自由にさせてあげてって！！」

『……え？』

ローズはフッと笑った。