29話 −気持ち− ページ28
リアルダークマターにああ言われ、どうしたらいいのか分からずによもぎはただ言われるままリアルダークマターに押されながらマホの側へ行く。此方に気付くとマホは此方をじっと見つめてきた。その目は何処か悲し気な目をしている様な気がした。
「頼んだぞ」
そう言ってリアルダークマターはよもぎをマホの目の前に連れて行き、よもぎの背後を護る為、よもぎの後にふよふよと浮かんでいる。マホロアは一瞬リアルダークマター達に目をやり、マスタークラウンを片手に魔法陣を出しながらそこから紫の弾を無数に出してリアルダークマターとダークゼロに攻撃をする。
「リアルダークマター!」
「分かっている!」
ダークゼロの声と共にリアルダークマターは自分から弾に当たり、よもぎを護る。ダークゼロもなるべくリアルダークマターの所に攻撃が行かない様に氷のバリアーで攻撃を防いでいる。
「マホ…あのね?」
その内によもぎはマホを説得させようと声を掛けるが、何を言えばいいのか分からず、言葉が詰まってしまう。マホロアの味方であるマホに敵であるダークマター族に味方をして欲しいだなんてよもぎにはとても言えなかった。
「えっと……マホはどうしたい?」
真っ白な頭で絞り出した言葉を放つがマホは目を逸らし、俯いたまま何も喋ってはくれない。
「…あ…あのさ…」
よもぎが次に言葉を発する前にマホに包まれるかの様に優しく抱きしめられた。初めて触れるマホの身体はとても冷たく、体温を感じられない。
「えっ?ま、マホ…?どうし…!」
戦いたくない…。
何処から聞こえるのか分からない声が心に響く。その声は大人の女性の様な声だ。
「今の…」
マホの抱きしめる力が少し強くなったのを感じた。
"戦いたくない…"今の声はマホの声だったのだろう。よもぎは何となくそう思った。
_めて…。
今度はさっきより小さな声がよもぎの心に僅かに響く。周りの音が重なり、上手く聞き取れない。
止めて…。_ホ__ア_狂う前に…。
所々聞こえない部分があったが、確かに心に響く声はこれっきりぷつんと途切れてしまった。
「止める…?狂う前に…?ほ…あ?」
聞き取れたマホの言葉を言ってみるが、"止める"の意味が分かっても、後半の言葉の意味が全く分からなかった。
「ほ、ホア……」
「しぶといネェ」
言葉の意味を考えている間にマホロアの大きな舌打ちがよもぎの耳に入った。
「止める……ま…まほろあ…マホロア!?」
分かった!
よもぎはマホを見上げて小さく頷いた。
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テテルカ天使(プロフ) - クローンステラさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!ゆっくりになってしまいますが、頑張ります♪ (2018年6月9日 23時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
クローンステラ - マホロアをダークマター一族も本当に大好きなので、まさに天国のような作品です!!これからもご自身のペースで頑張って下さい! (2018年6月8日 22時) (レス) id: a7087f7ad1 (このIDを非表示/違反報告)
シャルア - はい! (2018年5月17日 18時) (レス) id: 02ea73cb92 (このIDを非表示/違反報告)
テテルカ天使(プロフ) - シャルアさん» ここでのチャットはあまりよくないようなので、宜しければ http://www.3751chat.com/ChatRoom?room_id=520421 でお話しませんか? (2018年5月17日 16時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
テテルカ天使(プロフ) - シャルアさん» あ〜わかります!エンデニルのソウル可愛いですよね!最初あのギャップに驚きました(´ー`*) (2018年5月17日 16時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テテルカ天使 | 作成日時:2018年3月22日 7時