16話 −無邪気− ページ17
穴の先は緑豊かな場所、ではなく何もない真っ白な空間だ。とても広く、何処を見ても白い景色。流石のよもぎにも此処がポップスターでない事位察していた。後ろを向くと、そこにはさっき通ってきたハイパーゾーンへの出入口はなくなっており、完全に閉じ込められてしまった。
「積んだ…」
氏んだ目でそう呟く。すると、遠くに黒い大きな点が見えた。目を凝らしてその点を見つめていると、目の前に大きな角が生えた一頭身の生物が現れた。よもぎは驚いて"わっ!"と声を上げて後退りする。それを見て目の前に現れた角が生えた一頭身の生物がクスクスと愉しそうに無邪気に笑った。
「そんなに驚かなくてもイイじゃナイカ〜」
腕がない離れた左手を口に当てて笑う姿を見て少し安心した。さっきのリアルダークマターの表情を見た後だと可愛らしくも感じる。
「あ!自己紹介しナイトネ!ボクの名前は"マホロア"!"ソウル"って呼んでネ」
「マホロア!?」
ソウルの自己紹介が終わる前に思わず声が出てしまった。
マホロア!?でもマホロアはゼロツーと戦ってたし、そもそもこんな姿じゃなかった!
ひとりで心の中で喋っていると、いつの間にかソウルがこちらへ近寄ってきた。
「ソウソウ!キミが知ってるアノ マホロアダヨ」
漫画なら星が出てきそうな感じで愛らしくウィンクをする。よもぎは目を丸くしたまま固まる。
「キミはよもぎちゃんだったっけ?」
「え…どうして私のなま」
「だってマホロアが言ってたんダモン」
よもぎの気持ちを悟ったソウルはよもぎの言葉を最後まで聞かずに笑顔でそう言った。
"言ってた"…?どういう事?
ソウルの口振りからすると、マホロアはよもぎに会う前からよもぎの事を知っていたという事になる。しかしマホロアはそんな事は一切言っていなかった。
「マアそんな事どうでもイイじゃナイ!ボクはずっとキミが来るのを楽しみにしてたんダ〜」
ソウルはにこにこと笑いながら左手を上に掲げる。すると上にマホロアが出していたものとよく似た紫色の魔法陣が現れ、そこからソウルの2倍はありそうな大きな剣がゆっくりと姿を現す。
「…キミは鬼ごっこかかるた、どっちがスキ…?」
大剣を片手に少し低い声で問うと、もぎはびくっと反応する。ソウルが質問している意味は分からないが、さっきとは違う声のトーンと表情が恐い。
暫くしてよもぎは若干震えた声で"かるた…?"と疑問形に答えた。するとソウルは嬉しそうににこっと笑った。
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テテルカ天使(プロフ) - クローンステラさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!ゆっくりになってしまいますが、頑張ります♪ (2018年6月9日 23時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
クローンステラ - マホロアをダークマター一族も本当に大好きなので、まさに天国のような作品です!!これからもご自身のペースで頑張って下さい! (2018年6月8日 22時) (レス) id: a7087f7ad1 (このIDを非表示/違反報告)
シャルア - はい! (2018年5月17日 18時) (レス) id: 02ea73cb92 (このIDを非表示/違反報告)
テテルカ天使(プロフ) - シャルアさん» ここでのチャットはあまりよくないようなので、宜しければ http://www.3751chat.com/ChatRoom?room_id=520421 でお話しませんか? (2018年5月17日 16時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
テテルカ天使(プロフ) - シャルアさん» あ〜わかります!エンデニルのソウル可愛いですよね!最初あのギャップに驚きました(´ー`*) (2018年5月17日 16時) (レス) id: 378bd59ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テテルカ天使 | 作成日時:2018年3月22日 7時