青く澄んでは (ページ8)

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「今日から実験参加したんですか？」

『あ、いえ、今日はご挨拶だけです。
明日から本格的に始まるの、かな？』

「何で疑問形なん」

『いやあ、意外とやわらかい教授で。
ビシバシやるよって感じじゃなかったんですよね。
言い方変えると、』

「ゆるいってことか」

『…そういうことです』

「ほー、にしてもすごいな」とつぶやく川上さんに、『いや全然です』と首を横に振る。

そんなやりとりをしていると、いつのまにか最寄りの駅に着いた。

『本当に申し訳ありませんでした。
色々とお手数をおかけしてしまって』

「ほんまええよ。てか頭下げすぎ、はよ上げて」

『いやこのご恩は一生忘れません』

「大袈裟や」

「家まで送る」と言われたけど、流石にそれは全力で丁重にお断りした。

申し訳なさすぎる！
東大から意外と距離あったし！
時間は何にも代えられない！

「じゃ、行くわ」

『はい、ありがとうございました。お気をつけて』

「ん」

反対方向のホームへ歩き始めた川上さんを見てから、私も改札へと足を向けた

んですよ絶対。川上さん歩き始めたの見たもん。

私はまたなぜか腕を掴まれてました。

今日だけで何回かやられてるはずだけど、やっぱりびっくりします。
ねえ、川上さん？

『あの…？』

「ごめん、忘れとった」

『何をでしょう』

私がそう言うと、川上さんは自分のズボンのポケットに手を入れ、携帯を出した。

「連絡先、交換しよ」

『ほ…？』

驚きすぎてというか衝撃すぎて唯一出た一文字が、”ほ”。

毎回の如くツボる川上さん。
笑ってるのやっぱ可愛いなあ。

じゃなくて！

『え！いいんですか…？』

「何が？」

『や、私別に東大生でもインテリでも何でもないただの大学生ですけど…』

「うん俺もただの大学生やし」

『いやあなたは東大生かつインテリです』

「まあ東大生ではあるけど、普通の大学生やん？」

やん？て聞かれましても、東大生って普通なのか…？
というかこんな有名な方と私めが連絡先を交換しても良いと…？

「白夜さんおもろいもん、もっと仲良くなりたい」

『へ』

「だめですか」

『おおう…その聞き方はずるいです…』

そうして、川上さんと私はめでたく？連絡先を交換したのでした。

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