今でもあなたは

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『ありがとうございました』






最後のお客さんを見送って時計を見ると、20:28を指していた。




お店の閉店は20:30。もう閉めてもいっか。






『にしても、マスターどうしたんだろ』






1人呟いて、考える。




今日お店に来て挨拶した直後に、「じゃあちょっと行ってくるね！」と飛び出して行ったマスター。




何も言葉を返す暇なく置いていかれた。




閉店までには帰ってくると思ったんだけどな…




そんなことを考えながら掃除をしていると、






カランコロン





お店のドアが開いた。




マスター帰ってきたんだ。







『お帰りなさいマス、ター…』






ドアを開けたのは、明らかにマスターより背の高い人。




フードを被っていて顔は見えないけど、背格好的に男性だ。




…じゃない！違う！間違えてお客さん入ってきちゃったのかな…！






『あのっ、すいません。実はもう閉店時間でして』






するとお客さんらしき人は、被っていたフードを取った。






「今日はだめですか？」





『え……』






嘘、だ。




この人、この間のコンビニの人だ。

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