その82 超ナイスなワープ機能 byかぐや ページ9
額に大きく落書きされている林が、かぐやを追い回している。
必死に逃げるかぐや。
私の隣にいた椿が機転を利かせて、林に暗黒物質を投げつけた!
紫色の靄に包まれる林。
いつしか林の姿は見えなくなっていた。
『ねえ、今投げたのは何?』
「社長の置き土産だよ。事前に設定しておいた場所のところへワープできるんだ。」
なるほど、ワープ機能付きの暗黒物質か。
『今回の場合は林ってどこにワープするの?』
椿は少し考えた後に、言った。
「林の車の中って設定しておいたからそこに飛ばされたんだと思う。きっとそのまま帰るでしょ。この後、協会本部に戻ってから一閃刑務所にも行かないといけないみたいだし。」
要するに、彼は仕事を中断してかぐやに愛を語っていたのか。
それはちょっとよろしくない気がする。
林から無事に逃げ切ることができたかぐやは、通常業務に戻っていった。
『ところでさ……さっきの林、なんか外巣みたいじゃなかった?』
「それは私も思った!」
『特にかぐやを追いかけていたときの顔とか……。』
「クズみたいに見えるよね、わかる。でも違うみたいだから安心して。」
外巣はこの刑務所に収容される前、とてつもなくカオスな罪を犯した。
それは「顔面偏差値が高めの女性を口説き、自分の気持ちに応えてくれない場合は追いまわして最終的に道端のブラックホールに落とす」という大罪だ。
結局、外巣は誰も(口説き)落とすことができず、標的にした全ての女性を(ブラックホールに)落としたのだが。
そういえば外巣はまだ己の罪を思い出していないらしい。
クズ症状が消え、かつ、己の罪を思い出すことによってクズが完治したと認められる。
症状は消えているらしいけど……これはまだ時間がかかりそうだ。
その83 海藻フィーバーフォーエバー by外巣→←その81 混沌とした空間 by林
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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2024年2月18日 20時